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幻想神姫ヴァルキュリア・ミラージュ  作者: 黒陽 光
Chapter-09『フォーミュラ・プロジェクト』
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第三章:明日へ光を繋げるために/03

「シュルルル……ッ!」

「くっ……! 意外にやるな……!!」

 その頃、戒斗はリザード・バンディットと一進一退の攻防を繰り返していた。

 リザードは身軽なステップを踏み、戒斗がスティレットから連射する九ミリ弾を避けつつ彼に接近し。そうしてリザードが指先の爪で攻撃を仕掛けて来れば、戒斗がそれを左手のナイフで受け止めて防ぐ。

 そんな五分五分の攻防を、戒斗とリザード・バンディットは延々と繰り返していたのだ。

「カイトっ!」

「戒斗さんっ!!」

 そうして互角の戦いを繰り広げていれば、グリズリーを撃破した遥とアンジェの二人が合流してくる。

 飛び込んでくる二人の繰り出す攻撃を、リザードはまたも身軽なステップを踏んで回避。すると逆に爪での攻撃を連続して繰り出し、遥たちを怯ませ……その隙に飛び退き、リザードは一度間合いを取る。

「どうやら、上手いこと時間稼ぎは出来たみたいだな」

「ありがとうカイト、お陰であっちはどうにかなったよ」

「それにしても……予想通り、こちらは強敵のようですね」

 笑顔で言うアンジェに戒斗は頷き返しつつ、ウィスタリア・エッジを構えながら呟く遥にも「ああ」と低く相槌を返す。

「どうにか捌いちゃいたが、その分向こうにも大したダメージは与えられてない。……思ったより厄介だな、コイツ」

「でしょうね……でも、戒斗さんに注意を引き付けて頂いていたお陰で、もう一体は倒すことが出来ました。ありがとうございます、戒斗さん」

 そんな遥の感謝の言葉に、戒斗は「礼には及ばないさ」と言った後、

「本来ならこんな野郎、とっくに片付けちまってるところだが……ガーランドが居ればな。アガートラームでもう吹っ飛ばしてるところだ」

 と、自分の……ヴァルキュリアXGの相棒、支援ビークルたるガーランドが不在なことをボヤいていた。

「カイト、無いものねだりをしても仕方ないよ。ここは僕たちだけでどうにかしよう」

「……ま、それもそうだな」

 グッと構え直しながら言うアンジェに、戒斗もまた頷き返しつつ。ナイフを一旦腰に戻すと、左手に持ち替えたスティレットの弾倉を交換する。

 その傍ら、遥もウィスタリア・エッジを構えながら「行きましょう、三人でなら倒せるはずです」と二人に言い、先んじて自らリザードの懐へと飛び込んでいく。

「うん、そうだね遥さんっ! ――――でやぁぁぁぁっ!!」

「第二ラウンド、開始だ……! ――――トゥアッ!!」

 そうすればアンジェと戒斗も頷き合い、アンジェは両腰のスラスターを吹かして突撃。戒斗もスティレット片手に走り出し、リザードに突っ込んでいく。

 強敵リザード・バンディット、三対一の状況下――――第二ラウンド、開始。

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