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幻想神姫ヴァルキュリア・ミラージュ  作者: 黒陽 光
Chapter-08『忘却の果て、蒼き記憶の彼方に』
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第二章:願いのリナシメント/07

 五体の上級バンディット、全ての強敵を見事撃破した遥。真っ青な焔が背後で揺れる中、激戦を終えた彼女はふぅ、と息をつき。聖剣ウィスタリア・エッジを腰に吊るせば、今まさに神姫への変身状態を解除しようとしていた。

 だが――――そんな遥に、何処からか誰かが冷ややかな声を投げかけてくる。

「――――流石ですね、来栖美弥」

 聞こえてくる、年端も行かぬ少女の声。

 それに反応した遥が変身状態を維持したままバッと振り返れば、するとそこに居たのは――――風谷(かざや)美雪(みゆき)だった。

「貴女は……」

 高速道路の高架の上、丁度トンネルの出入り口の辺りに立って遥を見下ろす彼女。首元の白いスカーフを靡かせながら、冷ややかな視線でじっと自分を見下ろす彼女を見つめながら、遥はスッと目を細める。

 そんな彼女に対し、美雪もまた目を細めて。眼下の遥を翠色の双眸で鋭く睨み付けると、低く、ドスの効いた声で彼女にこう宣言する。

「ウィスタリア・セイレーン。今日こそ私は貴方を超えて……師匠に認めて貰うッ!!」

 叫び、ダンッと地を蹴って飛び上がれば、高架から飛び降りた美雪は空中で神姫の姿へと変身する。

「疾風転身……タイフーンッ!!」

 右手の甲に現れた緑と白のタイフーン・チェンジャー、その風車のようなエナジーコア部に風を集め……飛び降りながら、彼女は緑と白の神姫装甲を身に纏い。疾風の神姫……ジェイド・タイフーンへと変身を遂げた。

 そうして神姫へと変身すれば、美雪はダンッと遥の目の前に着地し。すぐさま遥に向かって突進してくる。

「行くぞぉっ!!」

「…………来るというのなら、致し方ありません」

 どうやら――――彼女との戦いは、避けられないらしい。

 それを悟れば、遥は美雪を見つめながら……静かに迎撃の構えを取っていた。





(第二章『願いのリナシメント』了)

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