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幻想神姫ヴァルキュリア・ミラージュ  作者: 黒陽 光
Chapter-08『忘却の果て、蒼き記憶の彼方に』
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第二章:願いのリナシメント/05

「ハァッ!!」

「グルルルル……ッ!」

「くっ……!! なら、これで……っ!!」

「ヒョーッ!!」

「っ……!!」

 左手でブレイズ・ランスを巧みに振るい、残ったロングホーン、タランチュラ、そしてコンドルの三体を相手に巧みに立ち回る遥。

 しかし、三体の猛攻を前に遥は徐々に劣勢へと追い込まれていた。

 ロングホーンが突進し、それを避けつつ攻撃を加えれば、今度はタランチュラが即死溶解毒と糸での拘束攻撃を仕掛けてきて。それを避け、いなしていれば……上空からはコンドルが強襲してくる。

 五体の内の二体を続けざまに仕留めたはいいが、しかし遥はそうして段々と劣勢に追い込まれつつあった。

 ――――このままの戦いを続けていれば、いずれ押し切られてしまう。

「なら……!」

 それを悟れば、遥は今まさに斬り結んでいたロングホーンを振り払い、バッと地を蹴って飛翔。バック宙気味に後ろへ大きく宙返りして距離を取れば、左手にブレイズ・ランスを握り締めたまま、右手を胸の前に掲げる。

「私たちの絆は途切れない……この先も、ずっと!!」

 そうして右手を構えれば、その手の甲にあるセイレーン・ブレスの下部にあるエレメント・クリスタルが蒼と金、そして紫の三色に輝き始める。

 その輝きは、今までのどのフォームチェンジよりも激しく、雄々しく、それでいて温かい光に満ちていて。その輝きに身体を包み込まれれば、遥は新たな形態への変化を遂げる。今まで見たこともない、新たな姿へと。

「私たちの繋いだ絆の力で……私は、守ってみせる! 私の守りたい、何もかもをっ!!」

 目も眩むような閃光が晴れ、遥の声が轟けば。間宮遥は……来栖美弥は。神姫ウィスタリア・セイレーンはセイレーンフォームでも、ライトニングフォームでも、ブレイズフォームでもない新たな姿に……第四の形態に姿を変えていた。

 ――――リナシメントフォーム。

 右腕はライトニングフォーム時の白と金の装甲、左腕はそのままブレイズフォームの紫の装甲に包み込み。瞳もまた右眼が金、左眼が紫に変色し。そして前髪も左右にそれぞれ紫と金のメッシュが入っていて、左腰には聖剣ウィスタリア・エッジを携えたその姿こそ、彼女の新たな姿――――リナシメントフォームに他ならなかった。

 まるでライトニングフォームとブレイズフォームを合わせたような、左右一体の姿。それこそがこの形態。かつての仲間たちとの絆の象徴たるその姿こそが、今の彼女が持てる最大の力……リナシメントフォームだった。

「――――行きましょう、私と一緒に」

 そんなリナシメントフォームへのフォームチェンジを遂げた遥は、左手に聖槍ブレイズ・ランスを握り締めたまま、右手には聖銃ライトニング・マグナムを再召喚。すると遥はランスを左脇に挟み、右手のマグナムを突き付けた構えを取る。

 右手に銃、左手に槍、そして腰には剣。

 三つの力をひとつに合わせた今の彼女なら、このリナシメントフォームでなら――――例えどれだけ不利な状況だろうと、覆せる。仲間たちとの絆の象徴たるこの姿でならば、どんな強敵でも打ち倒すことができる。

「さあ、決着を付けましょう――――!!」

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