表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
幻想神姫ヴァルキュリア・ミラージュ  作者: 黒陽 光
Chapter-08『忘却の果て、蒼き記憶の彼方に』
315/374

第一章:過去への旅路/01

 第一章:過去への旅路



 ――――昨日の晩に遡る。

 昨日の晩と言うべきか、それとも今朝方と言うべきなのか。とにかく戒斗たちがアルマジロ・バンディットと一戦交えた時刻から約二四時間前の、同じ真夜中のことだ。

 その時、目を覚ましてしまった戒斗はベッドから起き、自室を出て自宅二階の廊下を歩いていた。

 そうして歩いていると、ふと遥の、間宮(まみや)(はるか)の部屋が彼の目に留まる。

 通り過ぎようとした戒斗だったが、しかし……見てみると、何故か部屋の扉は半開きになっていて。そんな扉の隙間から戒斗が何気なしに中を覗き込んでみると――――そこに、遥の姿は何処にもなかった。

「遥……?」

 こんな真夜中に、彼女が部屋に居ない。

 敵が出現し、それを感知して飛び出していったのなら、戒斗の方にもP.C.C.Sから緊急出動の連絡が来るはずだ。しかし戒斗のスマートフォンの着信履歴にそれがない以上、遥が神姫として戦いに行った可能性はほぼゼロに近くなる。

 ――――だとしたら、何故彼女は部屋に居ないのか。

 不思議に思った戒斗は、首を傾げながら遥の部屋に恐る恐る入ってみた。

 中に入っても、やはり遥の気配は欠片も伺えない。

 そんな部屋の中に立ち尽くしながら、戒斗がぐるりと見まわしてみると。すると……机の上には、何やら書き置きらしきものが残されていた。

「…………」

 気付いた戒斗は書き置きを手に取ると、それに視線を落として読んでみる。

 すると――――そこには、こう書かれていた。

 ――――暫く、家を離れます。必ず帰ってきます。どうか……探さないでください。

「遥、一体どうして……?」

 書き置きを手にしたまま、驚く戒斗は……どうして遥が突然出ていったのかも分からず、暫くの間呆然とその場に立ち尽くしていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ