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幻想神姫ヴァルキュリア・ミラージュ  作者: 黒陽 光
Chapter-06『グラファイトの少女』
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第八章:深淵からの使者たち/03

 そんな二人と同じように、神代学園の校舎内……三年A組の教室で六限目の授業を受けていたアンジェとセラもまた、やはり敵の気配を察知していた。

(ッ、この感覚……!!)

(敵のお出ましってワケね……上等!!)

 窓際烈の最後尾と、その右隣。隣同士の席に座り、黙々と授業を受けていた二人はほぼ同時に気配を察知すると、アンジェもセラもどちらからでもなく視線を向け合い……アイ・コンタクトの末に黙って頷き合う。

 そうすれば二人は同時にガタッと席を立ち、

「悪いけど、アタシちょっと早退!!」

「すみません、僕も早退で!!」

 一方的にそう宣言すれば、戸惑う教師の制止も聞かぬままにスクールバッグを担ぎ……驚き戸惑うクラスメイトたちの奇異の視線に見送られながら、二人揃って三年A組の教室を飛び出していく。

 そうして授業中のガランとした廊下を全力疾走しながら、アンジェとセラは互いに言葉を交わす。

「アンジェ……この感覚、どう思う!?」

「うん……!! 凄く多い気がする、この感じ……!!」

「やっぱりか……戒斗の奴が初めてVシステムを装着した、あの時と同じぐらいよね!?」

「……分かんない、けど感覚は近いよ!!」

「ああもう、また大勢相手にしなくちゃいけないってワケね……」

「でも、僕たちならやれる。そうだよね、セラ?」

 隣を走りながら、柔らかな……自信溢れる笑顔でそう言うアンジェ。

 セラはそんな彼女の隣を全力疾走で駆けながら「当然!」と力強く頷き返す。

「アタシたちで全部平らげるわよ、アンジェ!!」

「分かった!!」

 と、そうこうしている内に階段を駆け下りて……昇降口に辿り着き。上履きから外履きのローファー靴に履き替えた二人は、そのまま校舎を飛び出し校門に向かって全力疾走。そうして校門を出れば、セラのバイクが隠してある場所へと二人で向かう。

 隠してあったセラ愛用の大型クルーザーバイク、二〇一五年式の真っ赤なホンダ・ゴールドウィングF6Cに二人一緒に跨がれば、ハンドルを握るセラは愛用の赤いジェット・ヘルメットを。彼女の背中にしがみつくアンジェは、セラから手渡された予備のヘルメットをそれぞれ被る。

 そうして二人でヘルメットを被ったところで、イグニッション・スタート。やはり暖機運転の時間を待たないまま、二人は猛然とした勢いで飛び出していく。

(間違いなく、敵の数は多い……でも、今のアタシたちならやれる!)

(カイト、きっと君も来てくれるんだよね。だったら……一緒に戦うよ。そして守ってみせる。他の誰でもない、この僕が)

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