第26話
3連休も終わりましたね。
作者は関係なく仕事してました(´・ω・`)
好きな事だけして生きられたらどれだけいいか…
ではお楽しみください。↓
槍形態になり、ヌトの胸を目掛け一直線に飛んでいくニスル。
ヌトは不自然な笑みを浮かべていた。
飛朗斗は咄嗟に槍状になっているニスル追いかけ、掴む。
「ちょ、飛朗斗、何してんの!?」
「ニスル待つんだ!!あいつ何か企んでる!」
そのやり取りを見ていたヌトの表情は苛立ちに満ちていた。
「チッ、勘のいいガキだこと…」
「勘だが、お前の狙いはその体を殺す事だろ」
「よく分かったわねぇ。何故か理由聞いてもいいかしら?」
ニスルは人間状態に戻り、不思議な顔をしていたがしばらく放置することにした飛朗斗。
「理由って程でもないが、ニスルが激情に任せて突っ込めば人間の反射神経じゃまず避けれない。でもそれはただの人間であればの話。今その体を動かしているのは太古の神であるヌトお前だ。反応できないなんて事はまずない。そしてお前は避けるそぶりどころか笑っていた。そこで俺は怪しいと思って止めただけだ。」
「そこまで分かったのなら教えてあげましょう。この体を殺せばあなたは死ぬわ。ただし、不慮の事故や、自殺では私も死んでしまうの。だからこそ他の誰かに殺させる必要があったのよ。本当はあなた自身に殺してもらうのがいいのでしょうけど…まぁそれが出来ないならあなた達はここで始末しようかしら」
言い終わるとヌトは左手を右から左へ振る。
するとヌトの周囲に魔力球が大量に出現する。
「ニスル、あいつを何とか振り切って逃げきるぞ。」
飛朗斗はニスルにだけ聞こえるように伝える。
その言葉にニスルは頷き、体の操作権をロムフへ委譲する。
それと同時に魔法球から魔法弾が次々に射出され、飛朗斗とニスルを襲う。
二人は協力し魔法弾を弾いていく。全開の遭遇では飛朗斗は完全にレベルが追い付いていなかった。
しかし、今回は違う。神器を手に入れた飛朗斗にはセイフからの知覚支援と身体能力上昇支援がかけられている。
これにより、通常より早く刀を振るう事が出来る上に、真神鉄で作られた神器である。壊れることは無い。尚且つ、剣と分類される形状であれば自在に変形させられる。
飛朗斗の流派天沼流武道術には二刀流の概念はない。しかし飛朗斗は腰から刀をもう1本抜き放つ。
二刀流になった飛朗斗は完全に魔法弾を弾く。ニスルに当たると思われる魔法弾も弾いているように感じられる。
この状態が2時間続けられた。飛朗斗の思惑通りであった。
「自殺だったらお前が死ぬんだよな!!」
飛朗斗のその合図と共にロムフが動く。隼の姿になり、飛朗斗の方へ走りながら体の操作権を主であるニスルに戻す。
飛朗斗はセイフを巨大な西洋剣へと変化させ、剣の腹で横薙ぎにすべての魔法弾をヌトへ跳ね返す。
「ぐっ!!」
予想通りの球数がヌトへと向かった。何発かは地面へと直撃したがそれでいい。砂埃を巻き起こし、ヌトの目を眩ますのが目的なのだ。
ニスルに飛び乗り、即座に冥界へ向けて飛び立つ。
ヌトは突然の出来事で意表を突かれたが、跳ね返ってきた魔法弾を新しく放った魔法弾で撃ち落とし、すぐに飛朗斗とニスルを探す。
先程まで正面に居たはずの2人が居ない。
上空を見渡し、見つける。
沈みかけている夕日に向かい飛んでいる。
「逃がすか!!」
ヌトはこのまま冥界に帰られて情報を共有されることを恐れた。
相手には神器保持者が現状3名居る状況である。いくら自分たちの戦力の方が多くても、質は圧倒的に相手の方が高くなる。
ヌトは自身が手出しできなくなるが、仕方ないと封印術を使用する。自身がかけられていた術の劣化版。
「お前たちをこの場に縛り付ける!」
複雑な印を組み、狙いを飛朗斗とニスルに絞る。
「鎖縛!!」
飛朗斗達は唐突に体が動かなくなる。
「なっ…何…だ?」
言葉もまともに出ない。
「こ…れ…て……い…ん」
何を言っているのか分からない。
≪マスターへ報告。神器同士による思念会話が可能です。使用を推奨します。≫
ニスルは思念をロムフへ送った。
それを受け取ったロムフはセイフへと送信する。
≪飛朗斗、神器を通してであればこの空間でも会話が出来るようだぞ。鳥の嬢ちゃんからだ。これは封印術で脱出するのにかなり時間がかかるらしい。≫
飛朗斗はニスルに伝えたい事をセイフへと念じる。
≪マスターへ返事が返ってきました。神器を使えば脱出できるんじゃないのか?との事。今後マスターと飛朗斗さんの思念通話を直通で行います。≫
「飛朗斗、よく聞いて。この封印術は現代に生きる私達には伝えられていない魔法なの。こんな風に体を動かせなくするレベルの封印術は今の神界でも使える人はいないの。トトさんでも能力を封印するので精一杯らしい。そして体を動かせなきゃ神器も使えない…」
「嘘だろ…それじゃぁこのまま何もせずにここに封印されているしかないって事か?」
「ううん。これだけ強力な術を使うからには、何かしろの代償が必要なはず。代償無しでこれだけの魔術を展開したのだとしたら長くは続かないはずだよ。」
ニスルの読みは当たっている。しかし膨大な魔力を所有しているヌトにとっては、長く続かないと言っても1時間やその単位ではない。日付単位なのだった。
「あなた達には丸二日そこに居てもらうわ。まぁこの世界が終わるのを指を加えてみてるといいわ。」
ヌトは結界の前まで浮遊してきてそう言い残しこの場から去って行ったのだった。




