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Horus~2神の復活~  作者: Syuteu
第3章 神器カウス=プタハ
22/34

第21話

 第3章はこの話にて終わりになります。

 今回もほのぼの(?)になります。

 どうぞお楽しみください。

 神殿に戻った飛朗斗達はアヌビスに大目玉をくらったのであった。飛朗斗はなんで俺まで…と思っていたが口には出さなかったのであった。


「しかし、目が覚めて本当に良かった。そしてニスル。よくロムフ=プタハを手に入れてくれた。よくやったな。」


 ニスルは自慢げに胸を張り、ドヤ顔になっていた。


「さて、神器保持者が二人そろったのだ。少し試しに模擬戦でもしてみたらどうだ?」


 アヌビスが唐突にそんな事を言い放った。ニスルは強くなったからとやる気でいるようだった。

 飛朗斗とトトはそれぞれ別の理由からだが、やれやれ…といった表情をしていた。

 模擬戦は明朝から行われることになり、兵士たちも観覧することになった。



 翌朝、神殿に居るすべての兵士がその模擬戦を観戦に来たのであった。

 もちろん神殿には亡者の列が作られていたのだが、やっても減らぬだから同じような物であるとアヌビスは放置を決め込んでいた。


「それではこれより神器保持者による模擬戦を開始します。ルールは相手を殺さない。死に至るような致命傷を与えないこと。以上です。」


 実況・審判はサクルが行うことになった。


「それでは両者構え!…始めッ!!」


 サクルの掛け声で試合が開始された。


「ロムフ操作任せた!くれぐれも殺さない様に!!」

≪了解しました。操作開始します。≫


「カウス、威力制御お願いね!」

≪えぇ、任せて。≫


 神器保持者の2人にはお互いの神器の声は聞こえている。神器同士は共鳴するらしく、お互いに意志の疎通が可能になるのだとか…

 紫乃歩の矢が放たれる。ロムフは槍で弾く。しかしその矢は氷属性が付与されていたようで地面へと槍が固定される。

 しかし、ロムフの槍は体そのもの。すぐに手から離し、空気中に霧散し新しい槍が形成される。それを走りながら行う。

 紫乃歩は氷がダメだと悟り、次の矢をセットしていた。その矢からはバチバチと稲妻が出ている。どうやら雷属性を付与されているようだ。

 そして、その矢が放たれる。先ほどの矢は目で追うことが出来たのだが今度の矢は早すぎる目で追うこともかなわない。しかしロムフはあっさり対処していた。槍を地面に差し込み自身は手を離す。矢の速度を利用して霧散する前に槍に当てさせ、槍を通して電撃を地面へと逃がしていた。

 さらにロムフはその横を走りぬけ槍を形成しながら紫乃歩へと突きを繰り出した。その突きは紫乃歩の喉元でピタリと止まる。一方紫乃歩は弦を引き絞りロムフの顔面に矢じりがピッタリくっ付いていた。


「そこまで!!」


 アヌビスの声が響き勝負をやめさせる。それに続いてサクルが勝敗を言い渡す。


「この勝負引き分け!!」


 そしてカウスが紫乃歩の腕へ腕輪として格納される。それと同時にロムフの槍が霧散し、体の操作権がニスルに返還される。二人は握手してお互いに言葉を交わす。


「紫乃歩ちゃんすごいね。属性付与完璧じゃん。神器保持者じゃなかったら絶対に勝てないよ」

「あなたも凄かったわ。あんな流し方があるなんて予想してなかった。勉強になったわ」


 ニスルの表情は苦い顔になり、紫乃歩だけに聞こえるように言った。


「ごめん、今の勝負私自分で体動かしてないの…」


 その一言に紫乃歩も苦い顔になる。

 二人のやり取りこそ聞こえなかったが、飛朗斗には何を話しているのかがなんとなく分かったのであった。

 その日はあと6試合ほど模擬戦をした。もちろんこんな戦いを見せられた飛朗斗も我慢することなどできず、戦いたいと名乗り出たところ、何と対戦相手にサクルが名乗り出たのだった。

 この後の試合の組み合わせと結果は以下の通り。


 第1試合 サクル  VS 飛朗斗  勝者 飛朗斗

 

 第2試合 アヌビス VS トト   勝者 トト


 第3試合 飛朗斗  VS ニスル  勝者 ニスル(ロムフ)


 第4試合 サクル  VS 紫乃歩  勝者 紫乃歩


 第5試合 飛朗斗  VS アヌビス 勝者 アヌビス


 第6試合 紫乃歩  VS トト   勝者 トト


 この日はこの模擬戦だけで終わってしまった。翌日神殿内は前日の模擬戦の話で持ちきりだった。どの試合も兵士たちにはすごい物だったのだ。仕方の無い事である。

 飛朗斗達はアヌビスの部屋へ呼ばれていた。全員が揃うとアヌビスが話し始めた。


「昨日の試合はご苦労だったな。私も久々に体を動かせて大変楽しかった。さて、飛朗斗君とサクルの2人は未だ神器を獲得していないな?それぞれのパートナーと協力して引き続き回収を頼む。」

「あぁ!今度は大怪我せずに回収してくるから期待して待っててくれ。」


 と、飛朗斗。


「うん、頑張って取ってくるよ!お父さん。」


 と、ニスルが言った。

 そして4人は再び神器回収へと向かう。

 飛朗斗とニスルは剣の神器の回収へ。そして紫乃歩とサクルは盾の神器の回収へ向けてそれぞれアヌビスの神殿を飛び立ったのだった。

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