第11話
冥界へと帰ってきた一行はトトに現在の状況、現実世界で起きていたことなど詳しく説明した。
「以上が現在、我々が知りえた情報です。トト殿、どうかそのお知恵をお貸しいただきたい。」
「ふむ、なかなかまずい状況だな…あちらは戦力がかなり整っていると見た。しかもこちらは誰が反逆者かわからない。さらにこちらの動かせる戦力といえば頼りない神見習い2人に、その2人の試験にたまたま巻き込まれた人間の子供が2人。」
トトはしばらく俯き、思案する。
アヌビス含めた5人はしばらく黙ってトトの考えがまとまるのを待つ。
トトが顔をあげる。
「よし、あれを取り出せば私とアヌビスはただでは済まないだろうが、仕方あるまい。」
「トト殿!まさかあれを持ち出すというのですか!?」
アヌビスは何か思い当たるようで焦っていた。
そんな事お構いなくトトが話を進める。
「お前達4名にとあるものの回収を任せる。それはかつて戦を収めた神アトムが使ったとされる4つの武具。」
トトは説明する。
4つの武具はそれぞれある程度の形に作られているとの事。
1つは剣
1つは弓
1つは盾
1つは槍
この4本はその持ち主、使い手を選び、自らの認めた主にしか扱えないらしい。
そして、持ち主の意志によってその武器の範囲内であれば変形するとの事。
「では2組に分かれ、それぞれ2本づつ回収してきてくれ。もしお主らが武具に選ばれたのならそれでよし。選ばれないのであれば、五体揃ってここへ来ることは叶わぬだろう。では行くがよい」
トトがそう言い終わる時にはアヌビスは、もうどうにでもなれといった様子だった。
4人はそれぞれ準備をし直し、1度仮眠を取り万全の体制で出発する。
「じゃぁお互い被らない様に集める武具を決めておきましょ。私達は弓と槍を取りに行くわ。あなた達は剣と盾をお願い。」
分かったと頷く飛朗斗。
「姉さん、道に迷わないでよ?」
「大丈夫!行先分かってるんだもん。そう簡単には迷わないよ!」
その言葉に紫乃歩以外の2人が心配だなぁと思ったのだった。
「紫乃歩達も気をつけてな。」
「えぇ、あなた達も。またアヌビスの神殿で!」
空の上で会話を交わし、お互いの目的地へ向けて太陽のゲートを通る。
「さて、まずは剣を取りに行きますか!!」
「おっけー、でも、太陽のゲートってホント眩しいよね~なんで私の能力こんな何だろう…」
飛朗斗とサクルの心配した通り、予定とは違う場所に出た。
「おい、ここどう見ても剣が封印されてる剣山じゃないよな?」
それぞれ回収する武具の封印されてる場所をあらかじめ聞いておいたのだ。だが、サクルの方向音痴は発動してしまった。
飛朗斗達が到着したその場所は槍が封印されているという渓谷だった。
「あれ?なんで!?まっすぐ剣山目指してゲート入ったのに…なんでだろう」
飛朗斗はため息をつき、ニスルに着陸するように言う。
安全なところを探し、着陸する。
渓谷内部へと着陸も試みたが、ある程度まで高度を落とすと、突風が吹き荒れ、墜落しそうになったので別の場所から渓谷内に入ることにした。
渓谷周辺は木々が生い茂る森だった。
渓谷になるべく近い場所に降り立ち、渓谷を目指して森を抜ける。
途中大型の野生動物の気配がしたが、こちらを襲ってくることは無かった。
森を抜け、渓谷に沿って歩き降りられそうな場所を探していたその時だった。
前方から話し声が聞こえたのだった。
すかさず姿を隠す二人。
「まったク、ついてネーナ、神器の回収任務なんてヨ。しちめんどくさいだけだってノ」
「お前、そんな事言ってていいのか?幹部にでも聞かれたら殺されるぞ。」
2人組の男。一人は獣人のようだった。
「それもそうだガ、実際面倒なだけだロ。あのお二方を殺せる唯一の武器の回収ヲ、俺らみたいな下っ端に任せるってのハ」
「しかしだ、考えてみればチャンスなんじゃないか?この武器を自分の物にしてしまえば、幹部入りも夢じゃないって事だろ?」
獣人がハッとした顔をしていた。
「そうダ!言われてみればその通りダ!早く回収しテ、幹部になるゾ!」
獣人が走りだし、もう一人の男もそれを追うように走って行った。
「今の聞いたか?」
「うん、こっちも急がなくちゃだね!!」
2人は男達が走って行った方とは逆に進んでいくのだった。
獣人
知能は低いが、身体能力が非常に高い。かつては獣人の神も居たようだが、現在は居ない。
今回飛朗斗達が遭遇したのはライオンのような獣人だった。




