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私立統道学園。
全校生徒600人以上を擁する巨大学園であり、様々な分野で一流の人材を輩出していることでも有名で、その実績は数々のメディアにおいても幾度となく取り上げられているほどだ。
そんな学園に、俺、間宮雄一郎は晴れて入学する日を迎えていた。
統道学園出身という一流の有名デザイナーがデザインしたという、白と黒を基調にした近未来的な制服に身を包み、今、俺は連絡船に揺られている。
私立統道学園は周りが海で囲まれた人工島に建設されており、島への移動手段はこの連絡船しかないのだ。とはいえ、今日から俺は統道学園の男子寮で生活する予定となっているので、この連絡船に再びお世話になるのは、だいぶ先の話になるだろうけど。
「…うぷっ」
やっぱりダメだ。酔い止め薬は飲んできた筈なんだけど、元々、俺は三半規管が弱い。酔いを少しでも軽減する為に外のデッキに移動しよう。
同じ制服の人混みを掻き分け、海の見えるデッキまでやってくると、ここは船内より人の数は少ないようだった。
海を眺め、しばらくボーッとしていると、突然、背中を誰かにさすられた。
「船酔いですか?大丈夫?」