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魔法の世界に勇者が召喚されました!  作者: どりあん
第一章:魔法の世界に勇者が召喚されました!
9/19

勇者さんは、学校に行ってみたかったらしいです。

「やあ、友也!心配したよ!土曜はどうして休んだんだい?」


今俺に話しかけてきたのは幼馴染の一人の久井秀一。


「本当だよ。心配したんだからね!」


と、話しかけてきたのは、もう一人の幼馴染、錦戸姫奈。

二人とも幼稚園以前からの繋がりで、切っても切れない腐れ縁だ。


「先生は、家に女連れ込んだから休みだって言ってたけど...ともちゃん、本当なの...?」


あの教師、本当にそんなこと言いやがったのか...

けれど、否定はできないんだよなぁ...


「はぁ、そんな訳ないだろ...」


「違いないね!友也はそんな度胸無いからね!」


「秀はいつも一言多いんだよ...」


と、そんな話をしていると、チャイムが鳴り、同時に教室に教師が入ってきた。


「おーい、席に座れー。」


この人は、担任の浅倉万利。

こんな喋り方だが、女性だ。

顔立ちは普通に美しいが、未婚だと聞いている。

まあ、あんな性格だからだろう。


「あー、今日からこの教室に転校生が来ることになった。おーい、入ってこい。」


「は、はいっ!」


俺はその声を知っていた...

ていうか、朝その声を聞いたばかりだ。

いや、そんな、まさか...

そうだ、違うに決まってる。

そもそも、小さい頃からずっと勇者になるための訓練を受けてきたんだ。

いくら簡単な学校とはいえ、入れるはずがない。


「おー!スゲーかわいい!」


「髪の毛、すごいきれい...」


「目も青いし、外国の子かな?」


クラスメイトが言っている特徴を照らし合わせると...

同一人物だ...

紛れもなく同一人物だ...

いや、だが、しかし...


「あ!友也くん!」


俺の願いは絶たれた。

と同時に、クラスメイトの視線が自分の方に向いた。




休み時間、秋葉は男女から質問攻めを食らっていた。

まあ、

「どこから来たのー?」とか、「お父さんお母さんは外国人?」とかだろう。


「どこに住んでるのー?」


とか聞かれない限り...

ちょっと待て、今...


「電車で通ってるのー?」


「それとも歩き?」


ここで、「友也くんの家です!」なんて答えたら...

あ、これはまずい。

クラスのやつらになんて言われるか...


「えっと...その...今は、居候させていただいています。」


「へー!誰の家?」


「その...友也くんの...」


この瞬間、教室内が凍りついた。

と同時に、俺は腕を掴まれた。


「ちょっと、赤城!どういうこと!?」


「ごめんなさい、友也くん...言い訳思いつきませんでした...」


まあ、嘘ついて、「今度遊びに行っていい?」なんて言われたらと言われても困るし、第一、帰り道でどうせばれるのだから、別によかったのかもしれない。

けれど、今か!


「えっと...秋葉の父親と俺の父さんが古くからの友人で、秋葉の家族が少し家を空けるから、その間、預かっていて欲しいって言われて...」


「へー、いろいろ大変なんだねー」


と、この場は回避することができたが...

ていうか、それでいいのか...

問題はあの幼馴染二名だ。

秀は向かいの家に住んでいて、姫奈なんか、隣の家だ。


「おーい、友也!おいていくよ?」


と、秀の声がした。

隣には姫奈もいる。

うん、これは早いうちに言っておかないとダメな奴だ。

誤解を招くやつだ。

いや、早く言おうが言わまいが誤解はされるだろう。

しかし、早く言えば、隠す気は無いと分かってくれるだろう。


「あのさ、秀、姫奈、言わないといけないことが...」


「そうだ!秋葉ちゃん、一緒に帰ろ!」


秋葉は後ろからついて来ていたらしい。




「へー、ここまで帰り道一緒の人ってあんまりいないんだよ。よかったらこれからも一緒に帰ろ!」


「は、はい!」


「そういえば、志熊さんの家ってどこ?」


「え、えっと...」


「ここだよ...」


と、俺はぼそっとつぶやいた。


「そうなんだー。じゃあ、また明日...えっ!?」


二人とも同じような反応をしている。


「ともちゃん...そんな...」


「いや、そんな反応されても困るんだけど...」


「いや、そんな反応できない方がすごいよ。志熊さん、どうしてここに?」


「は、はい、その、私のお父さんの事情で...」


「なるほど、居候ってことだね。いや、別に、悪いことじゃないと思うよ。けど、今、凛ちゃんいないんだよね...」


「ふ、ふ、二人っきり!!!!!!」


姫奈は俺の方をキッと睨んでから秋葉に言った。。


「あ、秋葉ちゃん、ともちゃんに何かされそうになったらうちに来るんだよ!うち、隣だから!」


「は、はい!」


「あと、ともちゃん!そんな度胸無いだろうけど、秋葉ちゃんに手、出しちゃだめだからね!」


「はあ、そんなことしないって...」


「じゃあ、僕はこの辺で。また明日!」


「そうだね。またね、秀、ともちゃん、秋葉ちゃん!」


二人は家に帰っていった。

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