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魔法の世界に勇者が召喚されました!  作者: どりあん
第一章:魔法の世界に勇者が召喚されました!
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お目覚めになった勇者さん。

目を覚ますと、もう朝だった。

俺は、どうして椅子の上で寝ていたのか疑問に思い、ベッドの方を見ると、そこでは少女が寝息を立てていた。


(そういえばそうだった。昨日...)


寝息を立てているところを見る限り、息はある。

それを見て安心し、俺は学校に電話をすることにした。

さすがに名前も知らない女の子を家において学校に行くのは男としてどうかと思ったからである。

...昔、妹が風邪をひいたときに、


「女の子を一人にしてどこかに行ったりしたら駄目なんだよ!」


と、妹に言われたのが脳裏に浮かんできた、というのがそう思った原因である。

そんなことを思い出していたら、先生に電話が繋がった。


「あー、もしもし。」


「あ、おはようございます、先生。赤城です。」


「ん、赤城か。珍しいな。何の用だ?」


「あの、今日少し体調が悪いので欠席させていただけませんか?」


「ん?女を家に連れ込んで大人の遊びをするから休むのか?」


「それ先生が生徒にかける言葉じゃないですよね!?普通は、大丈夫か?しっかり体調管理しろよ。とかじゃないんですか!?」


「おい赤城、いつも私が言ってることを忘れたのか?いい度胸してるな、お前。」

「憶えてますよ!ことあるごとに、常識に囚われるな。って言って...」


「まあ、せいぜい楽しめよな。」


...切られた。

まあ、許可は取れたということにしておこう。

今日は土曜日で、明日は休みなので、最悪今日目覚めなくても、まだ時間はある。

じゃあ、目覚めるまで本でも読んで待つとしよう。


一時間経過

まだ目を覚まさない。


二時間経過

まだ目を覚まさない、って本当に生きてるのかな、と疑問になってきた。

呼吸してるだけで、脳死って可能性もあるし、実は呼吸しているように見えてるだけでそれはただの幻覚だったりして...

そんなことをしている間に少女はゆっくりと目を開け、体を起こした。


「あ、」


生きてた!

生きてたよ!

よかった。

これで、どうしてこんなところに召喚されたのかが知ることができる。

少女は、あからさまに目を大きく開いて驚いていた。

ここはまず、挨拶からだ。


「お、おはよう。」


「お、おはようございます。 」


少女は警戒しているのか、まだ硬直していた。

何がいけないんだろう。

少し悩んだ末に、完璧な回答が出た。


「あ、えーと、」


「は、はいっ」


「前、見えてるから、ちょっと待っといて。妹の服持ってくるから。」


俺はこれが答えだと思ってた。

しかし、再び硬直してから、


「!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」


と、無言の反応をしたのは言うまでもあるまい。





少女がどうして驚いていたのか、冷静に考えたらすぐ分かることだった。

ここは知らない人の家なのだ。

そして、目の前にいるのは全く知らない男なのだ。

そして、半裸を見られたのだ。


とりあえず自己紹介をする必要がある。

...いや、常識的に考えたらそうだよね、普通。


「お、俺の名前は赤城友也、まあ、よ、よろしく。」


「友也くん、でいい?」


「あ、うん。好きな呼び方でどうぞ。」


「えっと、私の名前は秋葉です。えっと、苗字は志熊です。」


「え、髪の毛真っ白だけど、日本人なの?目も青っぽいし...」


「うん、親が外国人なんだ...」


少し失礼なことを聞いてしまったのかもしれない。

次から少し考えてから質問しよう。

まあ、少女の名前は志熊秋葉だということが分かっただけで十分だろう。


「あ、あの、わ、私のことご存知ですか?」


「いや、ごめん。たぶん初対面だと思う。でも、どうして?」


「はい...この転移魔法は、使用者と過去に一番心の距離が近かった人のもとに転移されるはずなんですが...」


それは不思議だ。

一度もあったことが無いはずなのに、どうして俺のところに召喚されたのだろう。

普通だったら、


「親、とかじゃないの?」


「いえ、私は物心つく前から勇者育成プログラムを受けさせられていましたから。」


勇者育成プログラムとは、勇者になるための手段の一つ。過酷なもので、勇者になる前からそこで死んでしまう人も少なくない。

そんなことをより、秋葉がどうして瀕死の状態だったのかを聞かなければいけなかった。


「あの、一つ聞いていいですか?」


「あ、うん。どうぞ」


「私の傷、あなたが治してくれたんですか?」


「あ、ああ、そうだけど、どこか痛む?」


「いえっ、とんでもない。あんな状態の私をよく助けてくれたなー。って思って。」


よし、このタイミングで踏み出すとしよう。


「こっちからも一ついいかな?」


「はい、大丈夫です」


「君はどうしてあんな状態で倒れていたの?」


「それは...」


やっぱり言いにくいものなのかな...


「言いたくなかったら言わなくても大丈夫だよ。」


「いえ、大丈夫です実は...」


秋葉は語り始めた。

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