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しるし(詩集)

田圃の歌

作者: さゆみ


たぶん今頃の田圃が好きだった

緑の稲はまっすぐ前を向き

背筋を伸ばして

ほぼ均等に整列していた

風が吹くと段々に流れ流されて

まるで波のように大きく畝って

緑の飛沫を弾かせながら

さわさわと稲のせせらぎ

空気は涼しげに伸びをしていたから

そこに思いっきり

飛び込んでみたかった



夜になると田圃ごとすっぽり

深すぎる真っ暗闇のなかに溶け込む

うすい月のしずくが稲を濡らす

昼間のせせらぎはやすらぎに

やわらかな匂いを風が注ぎ込んだ

田圃には蛙がたくさん住んでいて

まるで姿は見えないのに

全員が響きを揃えて

鈴なりのハーモニーで歌っていた

指揮者はウシガエルだった


合唱祭はきっと今頃真っ盛りだ






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― 新着の感想 ―
[一言] さゆみ様 こんばんは。 まさにですね。 ウチは田舎で田園風景が広がってますが、詩の通り。美しい緑が風で波打つ、綺麗ですよね。大好きです。夜の合唱と云う表現もピッタリでとても好きです。 …
[一言] まさに今、真っ最中ですよね\(^o^)/ 近くに田圃はないですが、蛙は鳴いていて、毎晩合唱を聴きながら寝るのが 大好きです。 読んでいて、田園風景を見たくなりました。 ありがとうございまし…
2013/06/16 11:06 退会済み
管理
[一言] お邪魔します。 安心感の漂う題材ですね。 自然の自然たる些細な風景にも、心を置ける人間のままで居たいです。 そう思わせる作品でした。 緑鮮やかな風景が見えてきました。 風の通る道って、確…
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