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降雷の魔術師  作者: 刹那END
I. 魔術部入部篇
13/57

α―XIII. サボり部員(二人目)

 翌日


 昨日、敬治(けいじ)雪乃(ゆきの)棚木(たなぎ)の三人は飛行機に乗って、東京の魔術委員会から福岡の自宅まで帰り着き、敬治は家に帰るや否や風呂に入って、すぐに眠りについた。そんな敬治は今、自転車のペダルを漕いでおり、そんな彼が向かう先が東坂高校であった。

 そして、敬治の向かっている東坂高校の校長室に怪しげな人物が進入している事を敬治は知る由もない。

 東坂高校の校長室から廊下を窺うように頭を出して、出て行った校長とは逆にその男子生徒は校長室野中を窺うようにして校長室に踏み込んだ。

 すると、男子生徒はいかにも泥棒のように抜き足差し足忍び足で校長室にある校長の机へと向かって、その上に置いてあったあるものを手にとって見せ、にやりとその口元を歪めて見せた。そして、男子生徒は何事も無かったかのような顔をして、校長室を後にした。

 それから五分後にどこかに行っていた校長が校長室に戻ってくるのと同時に、校長は自分の机の上を見て、その目を大きく見開いて見せた。

(なっ……無い!!)

 心中でそう叫んだ校長はすぐさま、溜息を吐いてみせ、「あいつか……」とやれやれと言わんばかりの表情を浮かべる。

 そして、窓からの光を最大限に反射させる頭を触りながら、校長は机の上の職員室に繋がる電話の受話器を取った。


 ◇


 敬治は学校へと着くと、教室へと向かって淡々と歩いていく。

(まだ……なんか体だるい……)

 その原因は一昨日の棚木との戦いでの自らの電撃を全身に浴びた事にある。そんな電撃を制していない自分の不甲斐なさに溜息を吐きながら、敬治は教室の扉を横にスライドさせた。

 そんな敬治の目に飛び込んだものは五名の男子生徒が誰かを取り囲んでいる姿であった。

 敬治が教室に入ってきた音によって、男子生徒たちが敬治の方を振り向くのと同時に、敬治はその男子生徒たちの中心にいる人物を見た。そこには顔を俯けている雪乃の姿があった。

(――ッ!? ……そういう事かよ)

 一瞬、教室内で起こっている出来事の意味が理解できないでいた敬治だったが、すぐにその理由に辿り着き、男子生徒たちを睨みつけた。

「何、ガンたれてんだよ」

 男子生徒たちの中の一人がそう言って、敬治の方へと近づいていく。それに対して、他の四人の男子生徒たちも金魚の糞のように一人の男子生徒の後ろについた。

「そんな人数で桐島取り囲んで何してた?」

「お前にはかんけーねえだろ?」

「関係あるから聞いてんだ。それにお前らが桐島を取り囲んでた理由も想像できる。

 ……お前ら――――“復讐”したいんだろ?」

 瞬間、男子生徒たちの表情が変わり、敬治の目の前にいた男子生徒が敬治の制服の胸倉を掴み上げた。

「俺の親は桐島尚紀(なおき)に殺された!! なのに、なんであいつの隣にいたこいつは殺されてねえ! おかしいだろ!? 俺の親じゃなくて、こいつが死ねばよかったんだ!」

 男子生徒の荒い声が教室に響き、教室にいるクラスメイトたちは男子生徒の行動を止めようとはしない。いや、止めれないのだ。皆、胸倉を掴んでいる男子生徒の気持ちが少し分かるのと、まだ日が浅いため、止め難い。

 男子生徒のその理由を聞いても尚、睨み続ける敬治はその理由を鼻で笑った。

「雪乃の兄貴がやった事だ。雪乃には何にも関係ないだろ?」

 敬治は桐島ではなく、あえて、雪乃と呼んだ。それは尚紀と関係の無い事を少しでも強調するための試みだったのだが、その言葉は男子生徒を逆撫でした。

「黙れ! 何言ったって無駄だ。俺はあいつをボコらねえと気が済まねえんだよ! それを止めるってんなら、お前も――――」

 男子生徒が胸倉を掴んでいる左手とは逆の右腕を振り上げようとしたその刹那、男子生徒の左腕に電撃が走り、後方へと退(しりぞ)いた。

(な……なんだ……?)

 疑問に思う男子生徒の頭に過ぎったのは一昨日の棚木との戦いの時の敬治の姿であった。

「……お前も、どうするって?」

「お前も……ボコるって言ってんだよ!!」

 そのまま退いてくれると踏んでいた敬治の予想は(ことごと)く裏切られ、男子生徒は足を踏み込んで、右手を敬治に向けて勢い良く振るった。

 その拳を紙一重で避けた敬治はそのまま、男子生徒の脇を通って、他の四人の男子生徒の間をすり抜け、ぼうっと突っ立っている雪乃の左手を掴んで教室から出て行く。

「待ちやがれ!!」

 追いかけてくる五人の男子生徒を肩で息しながら振り切って、敬治は息を整えながら体育館に上がる階段に腰を下ろした。そして、未だに雪乃の手を掴んでいる事に気づき、敬治は顔を赤らめながらその手を離した。

「ご、ごめん……急に手引っ張ったりして……」

「いいよ……そんな事より、ありがとう。わたしを(かば)ってくれたりして」

 にこりと微笑む雪乃であったが、それが無理やりの笑顔であると敬治は感じ取っていた。

「……今日みたいなのが、日常だったのか……?」

 階段の真ん中を空けるようにして、雪乃は敬治と間を取って階段に腰を下ろし、首を縦に振った。

「そう……だから、慣れてるからいいの。わたしだけ、お兄ちゃんの周りで唯一生き残ったんだから……」

 左眼にされた白い眼帯を押さえる雪乃の姿を見て、敬治は雪乃へと言葉を紡ぐ。

「あいつらの復讐したい気持ちも分かるけど、その思いに身を任せたってあいつらだって救われないし、桐島だって、救われない。それに桐島の兄貴がやった事なんだ。桐島には関係ないって言ってやれたらいいんだけどね……兄妹なんだし、関係無いなんて言えない。

 けど、桐島のその重い気持ちを俺が背負って楽にする事ならできる。だから、俺にその重みを背負わせてくれないか?」

「……どう、やって……?」

「今度、あんな事があったら、俺に助けを求めればいいだけ。そしたら、俺が桐島を護ってやるから」

 敬治のその言葉に少し涙を浮かべる雪乃であったが、その口元は微笑んでいた。

「……雪乃」

「えっ?」

「雪乃でいいよっ! わたしも、敬治くんって呼ぶから!」

 うるうるの雪乃の眼差しを受け、自らの目を逸らしながら、頷く敬治は頭のアンテナを揺らした。

(五年前からずっと……あんな仕打ちを受けてきたんだろうか……? 自分がやった事じゃない、兄貴がやった事を責められ、逃げ場を失くし、そして――――ッ!?)

 その先を心中で呟こうとした敬治の頭にある事が思い浮かぶ。

(――“差し伸べられた手を取って、桐……雪乃はキューブを盗む命令を受けたんじゃ……!)

 敬治は再度、雪乃へと目を向け、口を開こうとしたその瞬間、自らの後ろにいる人物に気づいて、階段から飛び降りた。しかし、そこにいた人物の顔を見て、敬治はそっと安堵の息を吐く。

神津(こうず)……先輩」

 敬治の目線、雪乃の横にはいつの間にか、肩よりも少し伸びた髪の神津沙智(さち)が階段の手すりのついた壁に寄り掛かって立っていた。

「二人してこっそり、惚気(のろけ)て……もう、二人の関係がこんなにも深まってたとはねぇ……」

「ち、違いますよ!」

「必死に反論するところを見ると、ますます怪しいわよ? まあ、話は少し聞かせてもらったから、そうじゃないって事は分かるけど」

 にこりと微笑んでみせる神津の表情を悪魔的な笑みと感じ取ってしまう敬治はその表情を引きつらせる。

「雪乃ちゃんが悪い子じゃないってちょっと分かってほっとした。けど、もう一度、キューブを奪うような事があったりしたら、許さないから。覚悟しといてね? まあ、棚木がキューブを持ってるから、奪われるような事はないでしょうけど」

「……は、はい」

 いつの間にか後ろにいた神津に目を大きく見開かせている雪乃は頷くのと同時に立ち上がる。

「その節は本当に申し訳ございませんでした」

 雪乃の下げた頭にポンと手を置いて、神津はその場から自分のクラスの教室へと戻っていった。そして、敬治と雪乃の二人も自分のクラスの教室へと足を進めた。


 ◇


 放課後


「お前たちの部活は一体、どうなってるんだ!!」

 敬治が魔術部部室のドアを開けようとしたその瞬間に、その怒号と机を勢い良く叩く音が鳴り響いた。横にいる雪乃の様子を窺おうと振り向く敬治に対して、雪乃も訝しげな表情で答えてみせた。

 ゆっくりとドアノブを回し、ドアを前に押した敬治は魔術部の部室内にいた部長と江藤とこの前の学校案内の時に生徒会室を通ったときに居合わせた生徒会の人の視線を浴びる事となった。

 敬治がドアを開けたおかげ、話が止まっている事に耐えかねた敬治は尋ねかける。

「あの……何かあったんでしょうか……?」

「すみませんね、敬治君。これで十回目なんです」

「十回目……?」

 江藤の返答に自らの首を傾ける敬治と同様に、雪乃も今の状況を把握できてはいない。

「そう。魔術部部員の二年、石川兼太郎(けんたろう)が“校長のかつら”を盗んだのがこれで十回目の出来事なんですよ」

 と溜息を吐きながら説明してみせる江藤の言葉を聞きながら、敬治は少し驚いた。

(校長って……ヅラだったんだ……)

 入学式の時にはちゃんと髪の毛の在った校長の姿を思い浮かべる敬治。

(って……それよりも――)

「――あの……もしかして、そのかつらを盗んだのが『魔術部の部員の~』って今、言いました?」

「えっ? 言いましたけど?」

 その言葉を聞いて、小さく溜息を吐く敬治。

(流石は崩壊寸前の魔術部……)

 そんな敬治とその横で苦笑いする雪乃を見た後、魔術部部長である藤井に目を向ける生徒会会員の男子生徒は不憫そうに告げる。

「一年二人にまで愛想尽かされてるけど、あんたみたいなのが部長なのがいけないんじゃないの?」

「僕はいつだって全力投球で頑張っているんだ。君みたいにベンチにも入れない奴には言われたくないな」

「おい、江藤。こいつ窓から落としてもいいか?」

 怒りを抑えている表情で江藤に尋ねかける生徒会会員の男子生徒は「もういい!」と言わんばかりに後ろへと振り返り、

「この件については今日中に解決して、校長にかつらを返せ! そして、石川を生徒会室に連れて来い! いいな!」

 と言って、魔術部部室を後にした。

 嵐が過ぎ去った後のように静まり返った部室。すると、そんな空気の中で部長は口を開く。

「じゃあ、“石川”を探しに行こっか!」

「でも、探すって言ってもまだ、学校にいるとは限らないんじゃ……?」

 部室から出ようと、椅子の腰掛に掛けておいた学ランを手にとって、袖に手を通す部長はにやりと笑みを浮かべてみせる。

「此処の近くの薬局に行けば、必ずいるよ。それも、とても目立つ頭でね?」


 ◇


 東坂高校より徒歩五分の薬局。その場所に辿り着いた魔術部の四人は雑談を交えながら、薬局の中へと足を踏み入れる。

「それにしても、良くお咎め無しだったねー。けど、会長も何考えてるんだか……」

「そうですよね。(クソ)部長のせいであっさりと奪われてしまったのに、原因である本人にはお咎め無しですもんね」

「なんで、そんな解釈しちゃってんの、清二君!? それにクソって……」

「その通りだと思いませんか? だから、棚木にキューブが任せられる事になったんですよ。それにしても、棚木の魔術での傷は二人とも大丈夫だったんですか?」

 部長と江藤についていっていた敬治と雪乃。急な訪ね掛けに対して、敬治は普通に答え、その後、雪乃は躊躇うように答える。

「まあ、日常生活には問題ないです」

「……わたしはまだ、痛いです……」

「本当に大変だったよねぇ……まあ、雪乃ちゃんは早く信用が取り戻せるように頑張ってね」

 にこりと笑ってみせる部長だったが、腹の中では雪乃を信用してはいない。それは江藤も同じで、神津は朝の話を聞いて、少しだけその心が晴れた。敬治はもう少しで、雪乃を信用できるくらいにまで来ていた。

 そんな敬治が薬局の中を見回しながら、部長と江藤の話を聞いていた時、ふとその目に、あるおかしな人物が映った。

(えっ!? 髪の毛どこから生えてんの、あいつ!!)

 敬治の目に映った人物は東坂高校の学ランを着ており、頭の左半分にしか髪が生えていないと言う異様な髪形をしている。そして、そんな彼が手にして、じっと見つめているのは紛れもなく、育毛剤であった。

「おっ! 敬治君ナイス! あそこで育毛剤見てるのが石川で間違いないよ。それと、多分逃げるだろうから、魔術委員の手帳で拘束の魔術唱えてくれ」

 と、部長に言われた敬治は手帳を取り出す事無く、雪乃へと目を向ける。その敬治の視線を受けた彼女はその行動だけで敬治の言いたい事を察し、ポケットから手帳を取り出して、白い眼帯を外した。そして、左眼を(あらわ)にした雪乃はArai(アライ)を唱える。

 そう。敬治はまだ、拘束魔術を覚えてはいないのであった。

Estrarint(イストラリント)

 その瞬間、光の帯が髪の毛が変なところから生えている男子生徒の元へと飛んでいき、男子生徒を捕らえた。

「うぐぁ!? なっ、なんだよこれぇ!!」

 光の帯に手と胴体を固定された男子生徒は持っていた育毛剤を地面に落とし、光の帯の飛んできた方向、敬治たちのいる方向へと目を向ける。

「ぶ、部長じゃないですか!? どうして……こんな所に……?」

「その頭に乗ってるものを取り返すのと、石川の身柄を生徒会に引き渡す事」

「えっ? 頭に乗ってるもの? ……知りませんねぇ。僕の頭には髪の毛しかないから……」

 あからさまに目線を逸らす石川に対して、部長は溜息を吐く。

「髪の毛が生えてる時点でおかしいんだよ」

「な、何がおかしいって言うんですか!? 高校生は皆、髪の毛生えてるのが自然じゃないですか! それを髪が生えてるからおかしいだなんて、部長こそが本当はおかしいんですよ! 僕だけ“君”付けしないし、僕の事を見縊(みくび)ってるんですよ!!」

「まあまあ、お店の中だし落ち着こうよ」

 左半分だけ髪の生えている石川を(なだ)めるように言った部長であったが、石川は聞く耳を持とうとはしない。

「ほら! 宥めようとしてるけど、本当は僕の事を莫迦(ばか)にしてるんだ、部長は! そうだよ! 僕は“スキンヘッド”だよ! “スキンヘッド”!」

 左から生えていた髪が地面に落ち、つるんつるんの頭皮が露になる。その一部始終を見て、江藤は笑いを(こら)えるように右手で口を押さえ込み、小声で呟いた。

「スキンヘッドって……ハゲなのに……」

「ハゲ!? えええ江藤!! お前今、ハゲって言っただろ!! 聞こえなかったのか!? 僕はスキンヘッドって言ったんだ!! ハゲとスキンヘッドは違うんだよ!!

 お前、ぜったい現国赤点だろ!! 『答える』と『応える』の違いも分からない中学生か、お前の頭は!! ハゲは髪が残ってるけど、スキンヘッドは髪が無いんだよ!!」

「結局、ハゲの人が羨ましいって事でしょ……?」

 尚も右手で口を覆いながら、頬を膨らませている江藤に対して、石川は頷く。

「うんうん。そうだよ。僕はスキンヘッドじゃなくて、ハゲに――――って誰がなるか、ボケェ!!

 『サザ○さん』のいそ○波○さんみたいにはなりたくはないんだよ! それなら、護廷十三隊十一番隊第三席の方がマシだよ!! あいつちゃっかし、卍解できるし!!」

 そんなアニメや漫画のネタを持ち出す石川の言葉を聞いて、敬治はある事を思い出す。

(そう言えば、漫画が今週発売だったなぁ……)

 思い出した事を心中で呟いていた敬治にその視線を向ける石川。それと同時に敬治の隣にいる雪乃の方にも目を向けた。

「そう言えば、拘束魔術かけてきたのは誰……? それにその二人も初めて見るけど……?」

 首を傾げてみせる石川を面倒くさそうに眺める江藤はその尋ね掛けに答える。

「君が部活に来ていない間に新しく魔術部に入った二人だよ。そして、二人とも魔術委員。一昨日の棚木との一騒動を見てないの?」

「一昨日? 一昨日は……そうだ。学校来てねえ」

 不登校宣言をする石川の言動を溜息を吐いて聞いていた江藤は石川へと近づいていき、地面に落ちていた校長のかつらを手に取った。

「あっ!? 俺の十万円!!」

「君のじゃないでしょー……

 部長。早く、生徒会に身柄を引き渡しましょう。石川はいじめ甲斐がないです」

「そうだね。って事でご愁傷様」

 石川の方へと近づいて、石川を引き摺りながら、敬治たちの方へと足を進める部長とかつらを手にした江藤。

 そんな二人が雪乃の横を通り過ぎようとした時、急に石川は力を入れて、部長を止めた。

「ちょ、ちょっと待ってください! この子と、この子と話させて!」

 必死な石川の表情を見て、部長は足を止める。そして、雪乃を一心に見つめる石川は告げる。

「君、可愛いね……俺と付き合わない?」

 唐突な告白にどう反応していいのか分からない雪乃は一瞬、戸惑うがすぐに石川から目を逸らして、恥ずかしそうに顔を赤らめながら、答える。

「あのー……その頭は、ちょっと……」

「はい。これで満足だね、石川。じゃあ、二人はもう帰っていいよ」

 石川を引き摺るのを再開する部長と一緒に江藤も歩き始める。

「ちょ、待って! 僕まだ、何もかっこいい事してない!! 魔術も見せてないし、ただのハゲだと思われてるから、フラれたんだ! 僕のスキルがそれだけじゃないと知れば、彼女も必ず振り向いてくれるから、僕に魔術を使わせて! お願い! お願いだから――――……」

 二人に連行されていく石川を見送りながら、敬治と雪乃はそれぞれの帰路についた。


 ◇


 白木書店


(漫画……漫画……)

 心中でそう呟きながら、敬治は書店の中での漫画のエリアを探し、見つけるに至る。しかし、その瞬間、敬治の足を止めるようにバッグの中の携帯電話がブザー音を立てた。

 バッグの中を(あさ)り、携帯電話(スマートフォン)を取り出す敬治は首を傾げる。

(魔術委員専用のケータイにメール……何かの指令かな?)

 敬治は恐る恐る、指を滑らせ、受信トレイを開いた。

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