番外編2 クリスマス小話(挿絵頂きました)
シモーヌ女史から素敵なイラストを頂きました。掲載許可を頂いたので小話付けてみた。
※下部に挿絵があります。嫌いな方はご注意ください。
「まぁだ? ねね、トールもういい?」
「ちょっとまって……うん、よし完成」
「でぇきた————————っっ!!」
「のわっっ、ちょ、サンディ……あーあ。落とすなよー」
コンビニ宇宙船「トライフルドリーム」イートインブースのオープンキッチン。
先ほどからうずうずと行ったり来たりしていたサンディが、出来上がったばかりのトールお手製ブッシュ・ドゥ・ノエルの載ったトレイを持って駆けてくる。
「じゃーん。ほら、これぇ!!」
目をキラキラさせながら差し出したスクリーンから、歓声が上がった。
☆
ヤマト標準時間の12月24日、午後3時。
『くりスまス、でスか?』
「そーそークリスマス。今日がイブでー明日がクリスマスでー、ツリー飾ってパーティーしてケーキ食べてサンタさんからプレゼントもらうのー」
年明けの屋台村企画の相談で通信してきたプリスカ海老天丼「トリイ亭」のクルーとの会話に乱入してきたサンディが、クリスマスについて興奮気味に説明している。
「ケーキはね、今トールが作ってんの。んでねー、今年はウサギさんの年だから、ウサギさんの飾り作ってのっけるの!」
海老天丼の件以来ヤマトの文化に大注目なプリスカ人達が、サンディの(いろいろと怪しい)説明を興味津々で聴いているのを横目で見ながら
「…あとでクリスマスの由来と十干十二支と哺乳類のウサギについて正確な資料送っといた方がいいような気がしてきた」
若干アタマを抱えたくなるような気分で僕がつぶやけば、
「早い方がいいわよ、第一印象が刷り込まれないうちに」
と、同じような目をしたクリスが同意した。
☆
そうして出来上がってきた、ブッシュ・ドゥ・ノエル。
ココアクリームで飾られた丸太型のケーキの上に、生イチゴやクッキー、木の実型のチョコレート等に混ざって……なぜか妙に精巧に作られたマジパン細工のプリスカ人(マリア作)と海老天(サンディ作)が堂々と鎮座ましましておりましたとさ(笑)
後日、ヤマト文化圏における十二支とプリスカ星人との関連についてのマコトシヤカ(かつ大真面目)な論文が出されて物議をかもしたとかかもさなかったとか(爆)
びっくりするほどイメージ通りのキャラが描かれててびっくり。
しかも、書いた自分でもどうなってんのかイマイチ想像つかなかった(汗)プリスカ人の5本耳まで見事な表現っぷりで…。つかケーキに海老天乗せんなwww
素敵なクリスマスプレゼントありがとうございました。(掲載遅くなってごめんなさい)
※2012.5.10 カラー絵いただいたので差し替えました。
ううう、原画の綺麗さに補正が追いつかない…!(≧x≦)