番外編 (拍手再録)
ほぼ会話文による小ネタ集。
☆
その1。女子部によるプチネタバレ。
『クリスの名前って元ネタあったよね』
「よく覚えてたわね。中世地球のSF短編の登場人物よ」
「えすえふってなあにー?」
『すこし・ふしぎ』
「マリアそれ違うから。さいえんす・さてぃすふぁくしょんでしょ」
『それじゃSSじゃん』
「あっれー?」
『……元ネタの話ね。正確には地球歴の20世紀末、大原まり子の「親殺し」だっけ?』
「「クリスティーナに続く名字がどうしてもそれ以外浮かばなかった」って作者が言ってた」
『いいのかなあ、それ……』
「「お、オマージュってやつよ(≧x≦)」だって」
『名前借りただけのをオマージュって言っていいのかと小一時間(ry』
「せめてリスペクトって言っときゃよかったのにねー」
「おまーじゅってなあにー?」
『中世地球のフランス語で「チーズ」のこと』
「マリア、それ「フロマージュ」」
『チリチリの髪型だっけ?』
「それは「ソバージュ」」
『学名を「オストアンデル」という』
「それは「お饅頭」…なんでそんなの知ってんの」
『wikip○diaヤマト語版に載ってた』
「マジでwww」
「あーわかったー。プチネタバレって作者のトシがってことかー」
「『しーっ!!』」
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その2。男子部によるプチネタバレ。
「まあネタバレってほどの話じゃないんだが」
「どの話?」
「このシリーズで一番最初に降ってきたのが第2話のあの一文だったってアレ」
「あーアレかぁ。授業中にどーとかって」
「そそ。英語の授業で、先生がアイスブレイクに話したのが……何だっけ」
「Full I care ……じゃなかった? 芭蕉の句の音写」
「それだそれ。知ってる人には有名なネタらしいが」
「ネタっていうのかなあそういうの」
「とにかく。その話が気に入った作者、いろんな言葉を音写するのにハマって」
「で、降ってきたのがアレ、と」
「そういうこと。……しかしなあ」
「ん?」
「いや……アレがどうしてこーゆー話になるのか不思議で」
「いやまったく」
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その3。ある日の重機の人とサンディ。
がしょがしょ。
『さんでぃチャンさんでぃチャン』
「あ、マキナのお店のひとだー」
がしょげしょがしょ。
『今度まきなノ神殿デオ祭リガアルンダケド』
「へーそうなんだー」
げしょがしょ。
『奉納芝居ガアッテネ、ソレニ出ルノ僕』
「えーすごーい。どんなの?」
げしょがしょげしょ。
『まきなノ古イ言イ伝エヲ、歌ト踊リデ表現する歌劇ガアッテ、』
「ふんふん。お神楽みたいなもんかな」
げしょげしょがしょ。
『僕ラガ演ルノハ、ソレヲ現代風ニあれんじシタみゅーじかるナノ』
「へーえ。おもしろそーう」
がしょげしょ。
『さんでぃチャン見ニ来ル?』
「いいの? わーい行く行くー」
「ってわけでー。トール同時通訳機持ってたよね、貸してー」
「……サンディ。悪いこと言わないから同時通訳機より耳栓にしときなさい」
「ほぇ?」
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その4。タカアキによる第4話蛇足。
(第4話のネタバレとロr…年の差萌え成分を含みます。嫌いな方はスルー推奨)
実は最初、トール自身がサンディを養女にしようとしたのだが……院長に何事かささやかれて、顔を真っ赤にしながら断念していた。
その理由がわかっているのは多分僕だけだろう。女性陣は結構鈍いし。
「ま……当分は秘密だな。もう数年は犯罪だ」
「……そうしてくれ」
僕がトールより優位に立てるのは、この話題の時だけだ。結構楽しい。
※ヤマトの民法はキホン日本のものに準じてます。気になる方は736条参照。
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その5。好き嫌いについて。
『そういえば、みんな好き嫌いってあんまり言わないよね』
「まあ施設育ちだったからねぇ。きっちり躾けられたっていうか」
「サンディもピーマン食べられるようになったよー」
「えらいえらい」
「俺……今だにひとつだけ絶対食べられないものが」
「え、何かあったっけ? トール」
「ハッピー○ーン」
「「「『マジでー!?』」」」
「なにこのアウェイな感じ。っつーかマリアまで責めなくても」
『いやだって。ハッピー○ーンってヤマトの国民食って話だし』
「大げさな……って言いたいけど実際かなりそれに近いんだよなぁ(遠い目)」
「確かにアレ嫌いって意見は初めて聞いたわー」
「あの甘さとしょっぱさのはっきりしない粉の味がダメでね……」
「アレがいいのにー。マニア向けに粉増量タイプとかまであるくらいなのに」
「ごめん勘弁して。普通のは出されれば1口くらい死ぬ気で食べるけど増量とか絶対ムリムリ」
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その6。第1話のあの人のその後。
「あれ、いつぞやのプリティちゃんじゃん」
「あ、マキナのおにーさんだー」
「いや実は去年結婚しまして(照)」
『あら。おめでとーございます』
「おにーさんリアルにもキョーミあったんだねぇ……」
「こらっ。失礼でしょ」
「いやいや。あんな環境だから出会いは少ないんですが。オンラインゲームで意気投合したやつが、たまたまとなりの会社で働いてる娘で」
「あー、なるほどねー」
「あ、ちなみに彼女もロリゲマニアで」
「「『はぁぁ!?』」」
「知り合ったゲームってのが、育てた幼女キャラの使い魔同志でパーティー組んで伝説の勇者を撃退するってやつなんですけど」
「「『……』」」
「それで時々会って話するうちに、『子育ては究極の育成ゲームである』ってことで意見が一致しまして、目出度く結婚の運びと」
「うわー。全世界のPTAを敵に回しちゃったよこのひとたち」
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その7。トール師匠の苦悩。
(微妙に第2話と第5話のネタバレを含みます)
「実をいうとちょっと後悔している」
「何が?」
「その……アレだ、レシピの件でね……」
「タダで教えてもったいなかった件? なら解決したじゃん」
「いやそっちじゃなくて。丼出汁が」
「丼出汁?」
「うちの母親のレシピ、鰹と昆布の合わせ出汁に醤油と味醂なんだけど」
「うん」
「鰹と昆布はさすがに本物だと高いから、普通に合成だしの素使ったんだけど……醤油はどうしても本場のじゃないとダメでね」
「あそっか、ハカタ星の醤油って特殊なんだっけ」
「ハカタ式うまくち醤油っつって、一般のこいくち醤油より甘味と旨味が濃いやつ。ハカタ星でしか作ってない」
「うん」
「味醂も『みりん風』じゃダメなんで、ハカタ産の本醸造のやつ使った」
「うん。それが?」
「今……ハカタ産のうまくち醤油と本味醂、ものすごい品薄で高騰してんの」
「……あ」
「なんかとんでもないことをしでかした気が……(汗」
「……いやでもそれトールのせいじゃないし……うーん」
後日談。
『プリスカでハカタ式うまくち醤油と本味醂の生産開始したらしいよ』
「「マジでwwwww」」
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その8。マリアさんに質問。
「ねーねー、マリアってサンディ達が寝てる間は何してんの?」
『普通に寝てるよ?』
「ふつーに? アンドロイドなのに寝るの?」
『寝てる間にエネルギーチャージするの。あと情報整理とか』
「エネルギーチャージって?」
『ボディを動かすためのエネルギーを体内に蓄積するのね』
「どーやって?」
『寝てる間に非接触伝送で。サンディのノート型情報端末と一緒よ』
「マリアのボディって、食べたごはんからもエネルギー作れるよね?」
『そうなんだけどねぇ。実際やってみると、分解燃焼のコストが意外に高くって』
「ありゃー」
『食べたものを処理するついでに運良く余剰が出たら活動エネルギーにまわす、っていう程度にしかなってないのね。処理中に出る熱は体温の維持にまわしてるけど』
「そっかー」
『普通のごはんじゃなくて、アンドロイド用の経口型合成燃料にすればいいんだけどね』
「うーん…それはちょっとねー」
『やっぱりみんなと同じもの食べたいじゃない?』
「だよねー。味覚データだけ取って分解せずに廃棄しちゃうってのは?」
『せっかくトールが作ってくれたごはん、捨てられると思う?』
「あー。キモチ的にゼッタイ無理ぃ」
『でしょー? これはもうNECoの企業努力に期待するしか』
「だよねー」
『で、これ何のインタビュー?』
「ん? 夏休みの自由研究」
『やっぱりねー』
web拍手お礼文の再録です。