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幕間

「最近よく難しい顔してるね。何かあった?」


 散歩がてら寄った公園で、唐突に鉄矢様に聞かれ私はハッとする。この思いを口に出していいのだろうか。いえ、鉄矢様は優しいお方だ。きっと親身になってくださる。


「最近、緋奈様が二号機の開発にかかりきりで私にあまり構ってくれず不安で……」


 鉄矢様は目をしばたたかせ口角を上げる。


「そっか。緋奈は集中すると周りなんてお構いなしになる気質があるからね。しばらくは俺の相手で我慢してくれよ、一美」


「はい……」


 私は自分でも驚くくらい気落ちした声を出し、その事実に俯く。


「二号機のこと、どう思う?」


「正直、ムカつきます。ぶち壊したいくらい。でもそんなことしたら私は処分されてしまうかもしれないですし……」


 鉄矢様から返事が返ってこない。しまった、言い過ぎたかもしれない。


「一美は、そんな人間らしい思いを抱けるんだね。凄いよ。よく言ってくれたね」


 鉄矢様は手で顎をさする。気づけば鳥たちがすぐそこに集まっていた。


「その思い、大切に心の中にしまっておくんだ。緋奈には言っちゃいけないよ」


「承知いたしました。あ、少し失礼します」


 私は鳥たちの輪に、警戒して飛んで行かれないように入りしゃがみ込む。


「何してるんだ一美?」


「バッタの脚をもいでいるんです。鳥たちが捕えやすいように」


 脚を全部もがれたバッタは、地面に置くとむなしく触覚をぴょこぴょこさせている。

 

「一美は優しいんだね」


 鉄矢様が褒めてくれた。そうだ、私は優秀なアンドロイドなのだ。


 私は、鉄矢様に向かってはにかんだ。




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