幕間2
「よいしょっと」
俺は浴槽から動かなくなったそれを、かついで脱衣所に運ぶ。面倒だ。体は拭かず、服を着せる。
後はいつものように川に仰向けで浮かせるだけだ。今回も難なく事が済んだ。全ては俺の能力の成せる業。俺は二の腕に力こぶをグッと作りポンポンと叩く。
俺の家は代々兵器商を家業としている。世界から争いがなくならない限り潤い続ける。
半永久的だ。
小さい頃から欲しいものは何でも手に入った。やりたいことは何でもできた。何不自由なく生きてきた。しかし、何不自由なくというのは、不自由でもあった。何でも広くできた環境だったので、興味の対象が様々に目移りし、すべてが浅くになってしまっていた。何か嗜好の指向が欲しい。何か制限があった方が、自由というのは深く感じることができるのだろうと考えて、自分に嗜好の指向に合わせた制限を課すことにした。
たまたま、それが殺人行為だった。偶然だ。ナイトプールで、悪戯心で女性を水の中に沈めた時、もがく姿に興奮を覚えた。俺は思った。溺死まで達したら俺の心はどうなっていただろう?
たまたまなんだ。たまたま、数奇な運命に導かれ、連続殺人なんてことをやっている。
バレちゃいけない。その制限が俺に自由の素晴らしさと興奮をギフトした。
さあ! 次はどんな若い芽を摘もう?
人生って素晴らしい。
ところで最近、謎の女が俺の家に居候している。
なんと十分沈めても一切苦しまないし抵抗しない。本人はアンドロイドだと自称しているが、何なんだあの女。
家事の一切を代行してくれているから仕方なく置いてやっているが、いつか殺してやろう。
何か良い方法はないかな……。




