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最後に伝えたいこと  作者: うい


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21/22

21話

いつもより朝早く登校すると、教室の掃除をしている麗華が居た。


「麗華ちゃん、おはよう!」


そう言って手を振ると、麗華の顔がサッと強張った。


「……お、おはよう。夕菜ちゃん」


そう言った麗華の顔は暗くて、ずっと床の一点を見つめてる。私は、何を見ているのだろうと近づいて、それを見た。


「……なに、これ」


夕菜に近づくな。ブス。


赤で、デカデカと書かれたプリントが落ちていた。なに、これ。誰がこんなこと……。

麗華が集めているちりとりを見ると、似たようなのが他にもたくさん。


「いつものことだよ」


へらり、と麗華は笑ったけど、こんなの傷つかないわけない。いつものこと、ってことは、毎朝こうやって掃除してたのかな……。私は朝登校があんまり早くないから、気が付かなかった。


「……ごめん」


私は何もされてないのに、涙がこぼれてきた。


「夕菜ちゃんはなんにも悪くないでしょ?」


悔しくて涙が流れるけど、心は冷え切っていて、怒りで頭が狂いそうだった。許せない、心の底からそう思った。

麗華はにこにこ笑ってた。私に勘付かれないように、1人でいつも戦ってたのかな。


「ごめんね」


何度謝っても足りない気がした。

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