20話
「ねえ、麗華ちゃん」
無性に話してみたくなって、私はついに麗華に話しかけた。麗華は、ふとかじりつくように読んでいた本から目を離して、「なぁに?」と笑った。
周りの子達は、「やめなよ」って止めてたけど、その制止を聞かずにずいずい話しかけた。今思うと、だいぶウザかったかもしれない。みんな自分から話しかけなくても寄ってくるから、距離の詰め方が最初の頃は難しくて。
「私と遊ぼうよ」
そう言うと、麗華はその大きな目を嬉しそうに細めて
「いいよ」
って言った。
家が近かったこともあって、私と麗華はよく遊ぶようになった。登校の時間がかぶることはなかったけど、下校は必ずと言っていいほど一緒で。学ぶことが好きで、自分の好きに忠実な麗華は、話していて楽しかった。
私は、そんな麗華のことが大好きになった。……なってしまった。
麗華とばかり遊ぶようになったころ、だんだん私の周りからは人が減っていった。誰かが私の噂を流してそれでみんな避けていくようになった。「夕菜ちゃんは自分意外の人をゴミだと思ってる」とかそんな感じだったか。思ってないんですけど。
そんなある日のことだった。




