19話
私には、唯一まともな友達が1人居る。朝一緒に登校はしてないけど、大抵一緒に帰って放課後はよく遊ぶ。小6になった今では塾があるとかであまり遊べていないけど。
それぞれ出会った時期は違えど、みんな同じように出会った。
彼女の名前は、神木麗華。おっとりしていてちょっと天然で、ポンコツで。読書が大好きで、いつもいろんなことを教えてくれる。麗華と出会ったのは小学1年生でクラスが同じだったこと。
当時の私はこの見た目でいろんな人が寄ってきていた。今とは……真逆だったなぁ。
「ねぇ……あの子とは遊ばないの?」
ある日の私は、不意に尋ねた。入学して夏休み目前ってくらいだったかな。いつも一人で楽しそうに本を読んでいる麗華が気になったのがきっかけだったと思う。
「だって、麗華ちゃんと話してもつまらないんだもん」
そう言った一人の女の子に、周りの子たちも同意してた。それを見たあとに麗華の方を見ると、周りの目を気にせずいきいきと読書していて、どうしてもつまらないような子だとは思えなかった。




