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最後に伝えたいこと  作者: うい


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17話

「……あれ」


次の日、登校すると大川がいなかった。いなかった、って表現も変なのかも。いつの間にか朝一番に会うことが普通になってたけど、ただ大川がいつも待っててくれてただけなんだよね。

やっぱり一人で行く気にはなれず、大川を待つ。

今日私がきた時間は昨日と違っていつも通りだ。だけど……いくら待っても大川が来ない。事故にでも遭ったのかと、心配になってくる。

一度悪い方向に考え出すとどんどん悪い想像に頭が持っていかれて、心臓がどくどくと音を立てる。早く、早く来てよ。

その時だった。


「夕菜」

ビクリ、と肩が震えた。最悪だ。私の後ろから聞こえてきた声は、間違えない。間違えようがない。

……隆樹の声だった。


「なんか用」

なんで、なんでこんな時間にコイツが。いつも、私より少し早いのに。なんでよりによって隆樹に。


「いーや?今日は旦那いないんだなぁ?」


ニヤニヤと少しずつ距離を詰められて、鼻と鼻の先が20センチほどまで近くなる。


「離れてよ!それに、旦那って誰のこと!?」

出来るだけ、声が震えないように。堂々と立って。今だけは、震えないで、私の足。今だけでいい。見た目だけでいいから強い夕菜で居させて。


「大川遊星」


「――っ」


「旦那。アイツらと同じ目に遭わせてやろうか」


アイツら。それが誰かなんて、聞かなくても分かる。私の、唯一の……


「っや、やめて!大川は関係ないでしょ!」


「いーや、関係あるんだなぁコレが」


余裕そうな笑みを浮かべて、隆樹は下を向いていた私の視線を、グイッと自分の顔まで持っていく。


「オマエが好きなもの、全部壊してやる」


「……大嫌いよ」


「ほう?」 


「大川遊星なんて、大嫌い。だから関係ない」


あれ、おかしい。なんか泣きそうだ。やっぱり、弱くなったのかな。あのときは、全然、平気だったのに。


「へえ、そう。ま、そーゆーことだから」


ヒラヒラと手を振って立ち去る隆樹を、弱い私は見ていることしかできなかった。

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