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概要
言葉の特異点
~
「それもまた良し」
彼は肯定した。それは励ましの形といえた。
お前の失敗は失敗ではないと、そういうように。
百の失敗というものはない。百のうまくいかない方法をしったのだと。
彼の言葉はいっていた。
「良し、なのでしょうか」
声をかけられた人は応えた。
彼の言葉の意味はわかる。なんとなくだが理解できる。
ああ、つまりは……
「信じていい、のでしょうか?」
「信じることだ。必要な事。自分を信じることだ」
それは彼にとっての「命言」だった。