えっ、俺の人生って
「あーあ、今日もまた失敗してこんな時間まで残業になっちゃったなあ、、、。しかも当たり前のように残業代なんて出ないし、マジで終わってるよ。帰ったら寝てすぐまた起きて仕事、俺の人生ってこのままからの繰り返しで終わるのかな、、、はぁ、、、」
俺ことこの話の主人公、神宮寺 司 32歳、独身、彼女なし、お金なし、この方人生良い事なんて全くなかった気がする。ブラック企業で社畜、毎日残業、そして不規則で不摂生な生活のせいでメタボになってきている。
いや、これは俺のせいだとも言える、、、
正直、今参っている、、、非常に参っている、、、
どれくらい参っているかと言うと、、、
「あれえ、神宮寺さーんやっと見つけやしたよ。今日こそ借金の利息、払ってもらわないと。こちらもサービスで貸してるわけじゃないんでねえ」
金髪、オールバック、顔には無数の傷、このいかにもな外見の方は俺がいつも、、、いや先日、、、いややっぱりいつもお世話になってる○金の取り立ての優しいお兄さん、、、
な訳がない。
「あははあ、極潰屋さん。いつもお世話になってますう。ホントお世話になってますう。いやあ、実はまだお給料がもらえてなくて、、、いや、お支払いしたい気持ちはたくさんあるんですよ、本当に。」
体中から汗が出る、異常に汗が出る、、、俺病気かって位汗が出る。だって怖いんだもん♡
って♡じゃねえ、マジでやべえ。
ほらほら見ててもわかる位に極潰屋さんの眉間にシワと青筋が、、、いらブルブル軽く震えてる。
「神宮寺!!!てめえ、いつも同じ事言って払わねえじゃねえか、ええ!!
てめえ優しくしてりゃあ図に乗りやがって!!
ここは痛い目に一度あって、考え方改革してやるしかねえな!!ああ!!」
やばい、目が血走ってる、、、
まずい、逃げないとこの先は大変な事が待ってる、、、
下手すりゃ、○ぬ。
逃げよう!
「あ、極潰屋さん、後ろから警察が!!」
うん、苦しい嘘だ。バレるに決まってる。
ところが、、、
「マジか!!サツか!!」
極潰屋さんは俺の簡単な嘘を信じて後ろを振り返る。単純な方で助かった。
俺はその一瞬の隙を逃さず走った、ひたすら走った、そりゃあお腹のお肉がブルンブルンするほど走った。
実際見た人はこう思うだろう、巨漢なデブが走ってると。
まあ、失礼な人達!!
後ろから極潰屋さんの怒声が響く。
「おらあ、てめえよくも騙しやがったな!!
マジで○ろす!!」
振り返ると凄い勢いで極潰屋さんが走ってきている。
キャー、これ捕まったらマジで○されるんじゃない!
俺のこの32年の人生、マジで終わるんじゃない!やばくない!!
家では俺の唯一の友達のあいつが待ってるのに、、、
商店街を抜けると大きな橋に差し掛かった、、、
後ろから聞こえる怒号と足跡が徐々に大きくなってきている。まずいもうすぐ追いつかれる。
神様俺に誰よりも早い足をください、お願いします!!
しかし司の祈りは神には届かなかった、、、司の信仰心は0だった。オワターーーー!
「捕まれば○ぬ、間違いなく○ぬ。家ではリモさんが待ってるのに。俺は、、、まだ死なない」
うーん、決まったねこのセリフ。もう感動ものだね。
「はあはあ、このデブが!!クズの分際で俺様を走らせやがって」
極潰屋さんに捕まった、あっさりと捕まった。
おお、神よ!!
司の信仰心は0だった、祈りは届かなかった。
頬に熱い痛みと衝撃が走る、口の中には生臭い鉄の味が広がった。
殴られた、この俺が殴られただと、、、久しぶりだぜこんな良いパンチ貰ったのは、強えな。
いや、すんません。高校時代はしょっちゅう殴られてました(笑)
痛いよー、○じゃうよー。
次々と拳が身体中にめり込む。
「逃げなかったら、ここまでする必要もなかったのにな!!!あー、俺はめんどくさがり屋だからな!!!本当は気も短いし!!!あーあ、めんどくせえ!!!」
極潰屋さんは次々と俺に拳を振るう。
痛いよー、本当に○じゃうよー。
どうにかこの場から逃げたい、このままだと本当に○でしまう。
「おらあ!」
勢いよく蹴られ橋にぶつかる、、、
覗き込むと闇、何も見えない闇、病み、あっ、いけない漢字間違えちゃった(笑)てへっ(笑)
殴られた痛みで思考までおかしく、、、むしろいつもおかしいか。
殴られて死ぬより、橋から飛び降りる方がマシだと思った。なんで○されると思ったのかな俺。
次の瞬間俺は橋をよじ登っていた。
「おい、度胸もねえのに変な真似すんじゃねえ。今なら半○しで済ませてやる」
いやいや、半○しでって半分○ぬならエスケープしますって。
だって僕には翼があるんだもん!!、、、多分!!
「極潰屋さん、もう無理。俺痛いの弱いから。そっちの趣味ないからごめんなさい。また会いましょう」
「おい!!!」
次の瞬間俺は闇の中に身を投げた、風を切る音が聞こえる。
あっれえ、こんなにこの橋高かったっけ、、、
恐怖のあまり俺は水面に打ちつけられる前に気を失った。
水面に直撃する直前、水面に閃光が走り俺の体は姿なく消え去った。
「なんだったんだ今の!」
極潰屋は今目の前で起こった現象に唖然としていた。
ここから始まる、全ての始まりが。