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第64話 マナ耐性

サブタイトル変えましたm(_ _)m

眠らされているため、犯人側からの特段の抵抗もなく武装解除が進む。

よくこんなところにナイフ隠せるな?というくらい徹底的に武装していたようだが、さすがに日本の特殊事件捜査係もそのあたりは慣れているようで、スムーズに武装解除を進めている。

武装解除して、護送車が動き出す頃、次の護送車がやってきたので残りの犯人たちをそこに放りこむ。流れは同じだ。

犯人たちは起きる気配はない。


「マナ耐性低そうだな」


「うん、っていうかその概念自体がないんだよね?」


眠らせる魔法といっても、魔法である以上魔力のよなものであるマナを使う。

それはつまり、自分に纏わせたマナで対抗可能ということである。もちろん不意をつかれたり、レベル差があったり、必ずしもそうと言い切れないケースもあるのだが。


「マナストーンの使い方は知れてるようだし、アイテムにマナが込められているのとかはわかるみたいだから、完全に何も知らないってわけじゃないと思うが...」


以前、ヨツバたちに防御用のアイテムを宝箱経由で渡した時も、「マナが込もってそう」と言ってたし、【妖精の涙】を売った時も、鑑定した人間はアイテムに内包されたマナ量についても感じていたようだった。


「自分に纏わせるっていうのがまだわからないのかな?」


「可能性はあるな。今度は『二位の講説』でもやってマナについて教えるか」


「いや、私そういうのはちょっと。佐藤がまたやればいいじゃない」


「いや俺も疲れた....」


などと無駄話をしている間に、周囲は撤収を始めている。


「佐藤君、まず教員を起こしてほしいんだが。そちらに事情を説明し、次に生徒たちに事情を説明してもらうつもりだ」


そこで、シンジは支倉の指示に従って職員室のみ「スリープ」を解除する。


「まぁ眠っている間に全て終わっていたからな、混乱は少ないだろう。怪我をした者もいないようだし、トラウマになる生徒が少ないといいが」


(これくらいでトラウマになるなら探索者なんてやめた方がいいよ...)


と思うカナタだったが、さすがに口には出さない。

それから10分ほどして、生徒の方も起こす。すでに各担任がそれぞれの教室にいて、生徒が起き次第事情を説明するそうだ。


「これでこの現場自体は解決だよな?」


一応支倉に尋ねる。


「ああ、よくやってくれた。一人も犠牲を出さずに解決してくれたのは大きいな」


「ところで、気になっていることがあるんだが」


「なんだ?」


「俺たちが弟子をとったのは知ってるよな?」


「記者会見で言ってたからな」


「誰かは知ってるか?」


「いや、知らんな。まだ公表していないのだろう?」


支倉は、やはり知らないようだ。それだったらやはりこの件はシンジたちとは無関係な事件なのだろうか?

たまたまシンジたちが弟子にとった人間四人がいるダンジョンスクールがタイミングよく狙われただけで、狙いはシンジではなく支倉だった...?

もちろん絶対否定できる仮説ではないが、ピンとこないのも事実だ。


「そうだな。実はその四人が今日現場にいてな」


「ここの生徒なのか!?」


「ああ、どうせバレるから言うけど、そうだな」


「ふーむ」


支倉が黙考する。


「支倉さんは、何か狙われる心当たりあるのか?」


少し角度を変えてみる。あくまで狙われたのが支倉だというのなら、何らか動機があるはずだ。


「ないな。と、言いたいところだが...個人的に今揉めているやつはいないが、仕事柄どこで恨まれるかを完全に予測することは難しいな」


何せ、ダンジョン庁の大臣である。権力者であればあるほど、その影響の及ぼす範囲は広く、その及ぼされた影響が気に入らないという人間も一定数いることだろう。


「しかし、動機があって、あの規模の外国人傭兵団を動かせる人間となるとかなり限られてくるな...」


「そうだよな」


そのへんでヘッドハンティングできる人間たちではないだろう。かなりのコネと財が必要なはずだ。


「あまり考えたくはないが、政府関係者という可能性も否定しきれん」


支倉が声をひそめた。確かに大声で言える内容ではないだろう...。


「まぁ、そのあたり俺も調査してみるわ」


こともなげにシンジが言うと、


「一位はそんなことまでできるのか?」


「ちょっと情報屋にツテがあるんだよ。まぁ本当にいざとなったら、人格戻らなくてもいいなら記憶抜きとるとかもできなくはないが」


「それはやめてくれ...司法プロセスに問題ありとツッコミが入る...」


「まぁ、穏便にやるよ」


支倉からは繰り返し「穏便に」と言われている。

本当にいざという時は穏便にする約束はできないが、なるべく希望に沿おうと思っている。自分も「穏便じゃない」方法を願っているわけではないのだし。


「こちらでも、尋問は始める。正直口を割らせるのはかなり難しいと踏んでいるが、何かわかったら差し支えない範囲で連絡する」


「了解。じゃあ、俺たちは行っていいか?」


「ああ。今回も助かった。今後も頼む」


さりげなく次回以降も助けてねと言うのを忘れない支倉....。


「可能な限りな!じゃあ山田帰ろうぜ」


「OK」


二人の姿は転移でかき消えた。


その二人を見送りながら、無事に人質立てこもり事件が解決したこと、そして改めてあの二人が味方で良かったことをかみしめる支倉だった....。

日々ぎりぎりなんとか書いてます^^;;

もし良ければ、評価で応援してくださるととっても嬉しいですー!!m(_ _)m m(_ _)m

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