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第38話 副大臣

短いですm(_ _)m

『俺の家がバレた』


シンジはとりあえずLINUでカナタに報告することにした。


『はぁ!?嘘!誰に?なんで?バレる要素なくない?』


『いやそれがさ…』


事情を説明する。


『マジか…すごいね、電波スキルとかあるんだ』


『驚きだろ?俺たちの知らないジョブなんてないとか豪語したけど、あったわ』


『地球独自のものがあるってことかぁ。油断大敵だね』


『ああ。俺たちの知らないジョブやスキルがあるっていうのは念頭においた方がいいな』


『了解。あと、他の石碑ダンジョンの攻略、どうする?』


『上位は一個アランベルトに頼んで、残りに行かないとな』


二人は今後の予定を相談した。


———


支倉は頭を抱えていた。ダンジョン省副大臣浅間タロウのせいである。


「一位と二位の二人が無断でダンジョンに入っていることは明確ですぞ!二人を出頭させてアイテムを没収すべきだ!」


とは、彼の言である。

そして、言っていることは間違っていない…。証拠はないものの、状況証拠はばっちりである。そして無断でダンジョンに立ち入った場合、その時に入手したアイテムは接収される決まりだ。


かと言って、この話を二人に持っていったとしても、出頭するとは思えない。それどころか雲隠れされるかもしれない。


「大丈夫ですか?」


秘書の加賀ユキヒコに声をかけられる。


「ああ、副大臣のことで頭が痛いだけだ」


「副大臣にも困ったものですね」


加賀は、一位と二位の二人とは面識はないものの、支倉から一通り話は聞いている。ポーション革命の時も支倉とともに奔走した。


「国益とかいいながら、自分のことしか考えてないやつだよ」


その時、支倉のスマホが鳴った。公的な電話の方ではない。この番号を知っている人間はそう多くない。

見ると、一位からだ。


「噂をすれば影か。もしもし」


「あ、支倉さん?今日、ダンジョン省の副大臣とかいう奴から電話があったんだけど」


「それは…どうせロクな話ではなかっただろう?」


「ああ。出頭しろとか言われたな」


「こっちでも騒いでいるよ…まぁ無視してくれ」


「…無視していいんだな?」


ちょっと意外そうな声だ。


「ああ。君たちに出頭しろとは言えないな。どうせ執行できないしな」


地球上の誰も敵わない二人をどうやって捕まえるというのか。


「それは助かるな。まぁもう着拒もしたし、俺たちがダンジョン省にさえ行かなければ会うこともないだろうが」


「着拒したのか」


それはキレてそうだ。


「当然だろ?」


「しかしどこから漏れたのか…」


一位の電話番号を知っている人間はそう多くはない。


「支倉さんからバレたらしいぞ」


「!?いや、私は誓って漏らしてないぞ!」


その誤解は困る。


「支倉さんが漏らしたんじゃなくて、スキルで盗み見たらしいな。まぁ不可抗力だな」


「スキルか…それは…」


支倉のせいではないが、申し訳ない気もする。


「スキルに対抗できないのは仕方ない」


「そう言ってもらえるのは助かるが。ということは情報源はわかってるんだな?」


「ああ。情報屋は抑えてある」


と偉そうに言いつつ、向こうからノコノコ来たから捕まえられただけであるが。


「それは良かった。スキルスクロール革命も順調らしいな」


「ああ。おかげさまでな。俺たちも明日から石碑ダンジョンに行く予定だ」


「あのだな…私たちは良いが、そういうことを外で言うなよ?副大臣に茶々をいれられるぞ」


「わかってるよ。何かあればメールしてくれ。メールアドレス作ったから。SMSは届かないかもしれないからな」


SMSは圏外の時は届かない。メールなら後から受信が可能である。


「メールアドレスを作ったのか!それは助かる。あとでアドレスを送ってくれ」


「わかった」


———


「情報屋と連絡がつかないだと?」


ダンジョン省副大臣の浅間は、秘書の言葉に顔をしかめた。


「ええ。いつものルートで連絡したのですが」


「どういうことだ!」


一位の電話番号を入手したまでは良かったが、どうやら着信拒否されたらしく、すぐに連絡がつかなくなった。そこで、住所を調べさせようとしたのだが、情報屋と連絡がつかないという。


「使えん奴だ!」


(いや、そうじゃないでしょう…何かあったんですよ)


これまで連絡がつかないということはなかったのだ。明らかにおかしい。しかし副大臣はそんなことさえ考えないようだ。


「大臣も使えんし…こうなったら総理と直談判する!」


「わかりました」


そのことに果たしてどれだけ効果があるのか疑問に思いつつも、秘書は優雅に礼をした。

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