第12話 波紋
短いですm(_ _)m
日本の中位ダンジョンバーストの鎮圧のニュースは世界に瞬く間に広がった。
中位のダンジョンバーストを死者なしで鎮圧したという点もそうだが、ついにランキング一位と二位が現れたことに世界が注目したのだ。
ネット上ではさまざまな反響が見られた。
「まさか日本人だったとは。一体今までどこに隠れてたんだ?」(イタリア人)
「適正レベル1500のホワイトティラノサウルスを一刀両断したというじゃないか。ぜひこの目で見てみたいね」(アメリカ人)
「一位と二位ということは、レベル13000を超えるローランド・アランベルト以上ということよね?何レベルくらいなのかしら。二万とか?」(中国人)
「二万はさすがにないだろう。15000くらいじゃないか?案外ローランドと同じくらいだったりしてな」(韓国人)
「いや、ローランドは今まで一度も二位になったことはないはずだ。ということはそれなりに離れてるんじゃないか?」(ベトナム人)
「なんでもいいけどこれで世界の探索が進むといいな」(イギリス人)
と言う感じである。
鎮圧を終えた後どうなったかというと、勝鬨をあげる人々を尻目にシンジとカナタはそろっと抜けてきた。
「帰るのか?」
気付いたらしい泉田が声をかけてきた。
「ああ、もうやるべきことは終わったしな」
「今回は本当に助かった!ありがとう」
頭を下げる泉田。
「誰も死なずに良かった。次も駆けつけられるかはわからんが」
「良ければ連絡先を教えてもらえないか?」
「…今は渡せる連絡先がない。考えておく」
「そうしてくれると助かる。ではな!今回は本当に助かった!」
泉田に見送られ、二人は転移でシンジの家まで戻った。
——
「チッ!」
高級ホテルの一室で、ローランド・アランベルトは舌打ちした。先日もらった情報をもとに一位と二位の使者に突撃したものの逃げられて以来、足取りが掴めずに手をこまねいているうちに一位と二位が大々的にメディアで取り上げられてしまったのだ。面白いはずがない。
しかも今回現れたのは使者ではなく本人たちだという。
大統領には「行動が遅い!」と文句を言われた。
行動は早かったっつーの!
そして、クランリーダーのレイモンド・フリックマンだ。こちらからは逆に相手を刺激するなと再び釘を刺されてしまった。
しかしせっかく日本くんだりまで来たのだ。成果なしで帰るわけにもいかない。
(仕方ねぇ、あいつに連絡するか)
そう結論づけると、ローランドはある人物にコンタクトをとるため電話をかけ始めた。




