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第1話 帰還

初連載です。妄想とご都合主義を詰め込みました。お手柔らかにお願いします。

「よし、戻ってきた!」


その場に忽然と現れた青年、夢島シンジは思わずガッツポーズをとった。


「長かった…」


隣で同じ年頃の女性、厳島カナタが呟く。

二人は今日、五年ぶりに異世界から帰還したのだ。


——


ことの始まりは五年ほど前のある日、二人が異世界に召喚されたことだった。幼馴染の二人はある用事があり一緒に出掛けていたところ、突如足元に魔法陣のようなものが現れた。その次の瞬間、二人は荘厳な建物の中にいた。


「なんだ…!?」


シンジが思わず呟き、あたりを見渡すと大勢の見慣れない服を着た人たちが二人を囲んでいた。その中からとりわけ豪華な服を着た壮年の男性が進みでると、厳かに告げた。


「異世界からの客人よ、よくぞ参った!」


(異世界転移!?)


ラノベ好きのシンジはもちろん、そこまで興味のないカナタにもすぐに思い当たるほどわかりやすい展開だった。


「急なことでさぞ混乱していると思う」


と言われても意外と混乱していない二人だったが…しかし、異世界転移には言わずもがないろんなパターンがある。オーソドックスに魔王を倒すパターン、実は召喚した国が悪い国で奴隷にされそうになるパターン、追放パターンなどなど…一体どれだ!?


「そちらの都合を踏まえず呼び出してしまったことは申し訳ない。しかし、我らには喫緊の課題があり、どうしてもそなたらの助力が必要なのだ」


「えーと、まさかですが、魔王を倒せとかですか?」


「!その通りだ。異世界の勇者よ、よくわかったな」


「まぁそういう話はこちらでもありますから…」


「異世界には魔王ははいないと伝え聞いているが、そうではないのか?」


「いや、あくまで空想の話としてですね…」


「それより王よ」


話が脱線しかけたところで、男性の隣の、真っ白な服を着たこちらもやや壮年の男性が呼びかける。


「まずは自己紹介と、お二人のお名前も」


「おお、そうだったな!ワシはこのアーデルグレイス王国の第12代の王、ユラストス・デル・フォア・アーデルグレイス。異世界の勇者の名前も聞かせてもらいたい」


「私は」


ここでカナタが初めて口を開いた。


「イツシマ・カナです」


(さらっと偽名名乗りやがった!)


隣でビビるシンジ。


「シン、ほら、自己紹介だって」


「あ、ああ…俺はユメシマ…シンです」


普段シンジと呼んでいるカナタがあえて「シン」と呼んだのは「お前も偽名を名乗れ」ということだと思われる。とっさに名字は普通に名乗ってしまったものの、下の名前は誤魔化せた。


「イツシマ殿とユメシマ殿か。二人も勇者が来るのは前代未聞だか、それだけ今代の魔王が強力ということかもしれぬ」


「普通は一人なのですか?」


「そうだ。が、勇者召喚の魔法陣は、魔王を倒す力のある者を召喚するように設定してある。そこでおぬしら二人が来たということは二人必要ということかもしれぬ」


「なるほど…」


(とりあえずどちらかが追放ってパターンはなさそうか?)


「早速だが、二人にはジョブを教えてもらいたい」


(ジョブシステムきたー!)


「ジョブ?」


ゲームにもあまり馴染みのないカナタが聞き返す。


「天職みたいなものだ。人はそれぞれ生まれつき一つのジョブを持っている。異世界にはそういう仕組みがないと聞いておるが、ジョブの付与も召喚の魔法陣に組み込まれてある」


「ジョブはどうやって確認しますか?」


「ウィンドウオープンと唱えるだけだ。そうすると自分のステータスを見ることができる。二人には早速ウィンドウを開いてもらいたい」


ウィンドウとは、なんとなく現代を彷彿させる単語ではないか。二人はひとまず言われた通り「ウィンドウオープン」と言葉に出す。

すると、二人の前に半透明の、それこそゲームのウィンドウのようなものが現れた。


【ステータス】名前/性別/年齢: イツシマ・カナ(女性、17)

レベル: 13

ジョブ: 勇者(ユニーク)

適性: 魔法(神話/火、風、水、土、雷、氷、闇、重力)、武具(神話)


【ステータス】名前/性別/年齢: ユメシマ・シン(男性、17)

レベル: 11

ジョブ: ヘルプデスク(ユニーク)

適性: 魔法(神話/光、空間、無)、武具(上位)、薬学(神話)、錬金(神話)、鍛治(神話)、魔物(神話)、生活(神話)、予言(神話)


「おお!イツシマ殿が勇者か!」


「ユメシマ殿は…初めて見るジョブだ。しかし適性を見るととんでもないぞ!」


「あれだけの適性がほぼ全て神話級とは…」


ウィンドウを目にすると、今まで静かに見守っていた周りが騒ぎ出す。

パッと見、なんだかすごそうだ、というのがシンジの感想だった。


(それにしてもヘルプデスクって…ここもなんだか現代風だな。サポーターみたいなものか?そしてなぜか名前には偽名が採用されてる…)


「二人とも、素晴らしいステータスだ!」


王が何度も頷きながら二人に賛辞を送る。


「二人が協力すれば魔王討伐も夢ではないであろう!」


(魔王討伐パターンか。今のところ、王様も悪い人じゃなさそうだし、ここは言われた通りにしておくか…?)


思考を巡らせるシンジ。


結論から言うと、二人は言われた通り魔王討伐に臨み、五年の歳月をかけてなんとか魔王討伐に成功した。


そうして今日、長い旅から日本に帰ってきたのである。

お読みいただきありがとうございました!

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