4章、第1話 クラリティーナの帰郷 (あらすじ、未完成)
夏休みが終了し、学校が始まる。朝食を食べに食堂に行くと、セリアがいた。魚介のテリーヌのサンドイッチを食べる。早速、レ・グラールガルエらしい、お洒落な朝食に替わっていた。
登校し教室に入ると、琴絵が来ていた。「少し痛むけど、大丈夫」琴絵は言う。界斗、ダニエルは琴絵が回復して良かったと喜ぶ。
その後クラスメートたちと、それぞれの夏休みについて話す。
オルテシアが来た。顔をあからめ界斗に挨拶。ダニエル苦笑する。さらに回復した琴絵を見て、オルテシアも喜ぶ。そして琴絵とダニエルは、オルテシアは自分の状況がわかっているのかと疑問を浮かべる。ザンターク家の総会長の妹ですら、認められなかったのに、財力も権力もザンターク家より上のソフィスティード家が界斗との恋を認めるか疑問だった。
この日、マリアーネは学校に来なかった。
1週間、なにごともなく過ごす。マリアーネは3日しか登校しなかった。調子が悪そうだった。
アスランから学校や牧場の動画が送られてきた。新しい友人や、牧場の先輩達と楽しそうに過ごせていてよかったと界斗は喜ぶ。
土曜日の朝、セリアがアスランと電話で楽しそうに話しているのを聞いてしまう。
界斗、朝ごはんを食べながら、クラリティーナの父親であるストゥールリーフェム国王アウルフィード・ビダムンティルが亡くなったのをニュースで知る。
昼ご飯を食べているとき、葬式の様子が中継される。クラリティーナと兄弟たちが映る。クラリティーナは兄弟では真ん中だった。そして兄弟では母親もそれぞれ違った。
月曜日、学校に行くと、セディウスからミスシスダール10人が決まったと言われる。
だが、界斗はそんなことは知らなかった。編入生である界斗には票のメールは送られていないかった。
ボーランの目当ての中学1年生もランクインしていた。廊下で話しながらボーランが、何が何でも付き合って見せると意気込む。
界斗は女子にばれると問題ではと聞くが、女子は女子で、男子のランキングをつけているからお互い様だった。
午前の授業中に、職員室によばれる。職員室に行くとルイバンもいた。早退して解放者に行くよう言われる。
界斗とルイバンは早退して、アミリエのいる幹部事務室へ行く。
アミリエから説明を受ける。クラリティーナからの定期連絡が途切れた。携帯の電波から携帯は首都にある。首都に行けばタグから詳しい場所がわかると言われる。
クラリティーナの国へ、ギフュームに乗車して 界斗、ルイバン、ガリウス、ワーグ、デュセリオ、ハミルト、ミセラス、そしてクラリティーナの専属2人、上級職員のアドラムンを入れて総勢10名で向かう。
クラリティーナは下の弟妹たちと、葬式が終了するとお茶会をしていた。
不意に、次々と眠りに入る弟妹たち。紅茶もクッキーも、おかしな味はしなかった。横にあるアロマポットを睨む。そしてクラリティーナも眠りに入った。
ギフュームの車内で、語られる過去。ガリウスとクラリティーナの出会い。
ガリウスの父親は元警備会社の社員で、クラリティーナの祖父が来国したとき、警備を担当し、引き抜かれ、その後クラリティーナ誕生後は、護衛隊長をしていた。
ガリウスは、父親に連れられ王宮に出入りしており、赤ちゃんの頃からクラリティーナを知っていた。
ガリウスとワーグの出会い。ワーグは不良少年で、ガリウスに喧嘩を売り、負けていた。
ガリウスとオサミラウの出会い。オサミラウはバイト先のカフェの後輩だった。恋愛トラブルに巻き込まれ、クビになりかけたところを、当時バイトリーダーをしていたガリウスが店長に掛け合い、助けていた。
そしてガリウスは大学卒業後は父親と同じく警備会社へ。その後、独立して、オサミラウ、ワーグと共に警備会社を立ち上げる。
中学入学を控えたある日、クラリティーナが王宮の裏手にある林で怪しい仮面の人影を見る。後をつけて地下倉庫に行くと、死体があった。何か王宮で起きていると、姉的存在でクラリティーナの家庭教師をしていた財務大臣の娘だった高校入学を控えるアミリエに相談する。そしてアミリエからガリウスに連絡がいく。
調査を開始して1週間後、ガリウスの会社が襲撃される。
妻と下の息子2人と受付のおばさんが殺害される。ガリウス達が外出している最中の事件だった。
その後、ガリウス達は身の危険を感じて会社を移転することにする。クラリティーナとアミリエを交えて相談した結果、オサミラウの提案で、世界的な著名人でもあるネディフを頼って、ウクテルに来た。
そして解放者を立ち上げた。解放者と言う名前は、もともとはストゥールリーフェム国をゾルタリウスの手から解放するという意味だった。
ガリウスは王宮管理人が怪しいと睨む。だがルイバンは国王ビダムンティルが怪しいと言う。
国王ビダムンティルは怠け者で凡庸な男、ゾルタリウスに手をかすとは思えないとガリウスが言う。
だがルイバンは、国王ビダムンティルの気持ち悪い目線が嫌いだった。
クラリティーナは縛られ寝かさられていた。
兄2人が来る。
クラリティーナに語り掛ける一番上の兄エーレバールト。
「何も知らない、クラリティーナ。君もゾルタリウスだというのに」
「何をいっているの、エーレバールト兄様」
そしてクラリティーナは、顔の先で電子を創成して、電撃でエーレバールトを昏倒させようとする。
「危ない、危ない、君は体のどこからでも創成できるんだったね」
薬をクラリティーナに打つ、エーレバールト。
「心配しなくていい。父上いわく、君はベクシュトスへの贈り物。亡くなったおじいさまの話では、ベクシュトスは女好きらしいから、贈り物にするといっていた」
「何を言ってるの、お兄様。お父様は死んだ。火葬にした。それにベクシュトスは単なる偶像崇拝の対象のはず」
「今はお眠り、まもなく解放者が来る。ウクテルを出たと知らせがあったからね。次起きた時、君は普通の女性になっている」
アウルフィード王家は、資源争奪世界大戦後の経済大恐慌時代に成立した。
もとは一都市の都長だったが、重税を課した国に離反。当時は無人島だった大小さまざまな群島のうちの大きな一つに市民を引き連れて、街を作り独立した。
戦争禁止令のおかげで、国は順調に成長を続ける。移民も募集したりしながら、今では人口1000万までに膨れ上がった。
島には大陸からの入り口である、橋を渡る。
界斗達は2台の車に分乗して、国に入る。スムーズに入れた。
そして、情報を収集して、クラリティーナのタグから位置を割り出し、王宮に忍び込んだ。
ろくに見張りがいなかったため、簡単に侵入できた。
「まるで誘われているみたいだ」ガリウスが呟く。
地下倉庫に着いた。
クラリティーナが縛られていた。
国王ビダムンティル、長男エーレバールト、次男コンティベクッツがいた。さらに他にも仮面を被ったゾルタリウスが二人いる。
1人は筋骨隆々なガリウスと良い勝負ができそうな男。もうひとりは体格は普通だが、少し白髪が混じった、不気味な男だった。
「ルイバンが正しかった」ガリウスが呟く。
「ビダムンティル様、なぜこのような事を?」
「なぜ?、私がゾルタリウスの幹部だからだ」答える国王ビダムンティル。
「ガリウス、お前達をわざわざ待っていたのだ。これからいいものを見せてやろう」
国王ビダムンティルのゼファレスが滾る。それは界斗に勝るとも劣らないオーラだった。そして国王ビダムンティルのゼファレスがクラリティーナを捉える。戒めがほどかれ宙に浮かぶクラリティーナ。
叫びをあげるクラリティーナ。
クラリティーナの胸から意思があるかのように白銀に輝く球体が出てくる。
そして国王ビダムンティルの胸に吸い込まれる。
国王ビダムンティルから、強烈なオーラが迸った。
「これが二つ持ちの力か」呟く国王ビダムンティル。
国王ビダムンティルが聞いたことの無い言葉で何か叫んだ。
ゼファレスが界斗たちの体を突き抜けていった。
何事かと訝しる界斗たち。
アドラムンが、こけおどしかと叫んで剣を抜く。
「私は王族だぞ」
「バカが、こっちは特別軍事国際法人だ。王族と言えど、現行犯で処刑できる」
アドラムンが躍りかかった。
「何も知らない馬鹿が」愉快そうに笑う国王ビダムンティル。
国王ビダムンティルが右手を振った。
アドラムンの体が上半身と下半身に真っ二つに切り裂かれる。
天井に入った亀裂を見て、「ありえない。あの程度の空刃で上級職員が切り裂かれるなど。
何かがおかしい」ガリウスは呟く。そしてゼファレスを活性化しようとして、気付いた。ゼファレスが体内に無い……
ガリウスだけではない、全員が自分のゼファレスがおかしいことに気付く。
長男エーレバールトが銃を取り出し、ルイバン目掛けて撃つ。ガリウスが庇った。
体格のよいゾルタリウスが剣を抜く。襲い掛かってくる。ワーグが受け止めるも蹴り飛ばされる。
次男コンティベクッツも剣を抜いて斬りかかってくる。その様子をもう一人のゾルタリウスはのんびりと見ている。国王ビダムンティルは自分のゼファレスを確認しているのか、滾らせたり収束させたりを繰り返している。
ワーグ、ガリウス、ハミルト、ミセラスの4人が戦っている最中に、ルイバンとデュセリオがクラリティーナを確保した。
デュセリオがクラリティーナを抱える。
ガリウス「撤退しろ」と言う。
デュセリオがクラリスを抱えて真っ先に撤退する。
他の者が続く。
ガリウスとワーグは撤退しない。
「ワーグ、お前も行け」ガリウスが言う。
「付き合うぞ、お前にまだやり返せてないしな」ワーグはニヤリという。
「好きにしろ。馬鹿者が」ガリウスは呟く。
「父さんも撤退してください!」ルイバンが怒鳴る。
「ルイ、達者でな。フィアリスちゃんを大切にするんだぞ」ルイバンに言う。
「界斗君、これからもルイバンと仲良くしてやってくれ」界斗に言う。
ガリウス、体格のよいゾルタリウスに刺される。ルイバンそれを目撃して、叫ぶ。
ルイバン、加勢しようとする。
界斗、ルイバンに声を掛け思いとどまらせる。
ルイバン、悔しそうに撤退する。
ガリウスとワーグを残して、全員が撤退した。
ある程度、距離が離れると、ゼファレスが回復していくのを感じる。
そして車で逃げた。
ガリウス、ワーグの死体を見下ろしながら、長男エーレバールトが国王ビダムンティルに声をかける。
「追わなくていいのですか?」
2人のゾルタリウスはいなくなり、この場には国王ビダムンティル、長男、次男の3人しかいなかった。
「クラリティーナは今は放置していればよい。そもそも私の予定では違った。最高指導者に言われしかたがなかった。それに真田界斗に手を出すわけにもいかないだろう。今は最高指導者のいいなりになるしかない。だが、ゾルタリウスに戻りしとき、ベクシュトスにクラリティーナを捧げ、私がゾルタリウスの頂点に立つ!」
怠惰な国王ビダムンティルは、野心家だった。




