表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

1/3

俺は陰キャだ

 キーンコーンカーンコーンとチャイムの音が今、鳴り響いた学校〈新谷学園高等部 偏差値68〉に通う高校2年生・新谷瑞希。この作品の主人公だ。


 瑞希―――俺は理事長・新谷剛臣の孫であり、学年2位の学力を保ち続け、自分で言うのもなんだが、性格も顔も別に悪くない。まぁ前髪が少し長めで目が少ししかみえない上、イケメン!!って感じでもなくて童顔っていうことは言ってはいけない。


 そんな俺にも、重度な欠点がある。


 俺は根っからの陰キャなのである。


 なぜこんなにも陰キャ人間に育ってしまったのか説明しよう。俺には残念だが、コミュ力が壊滅的にない。


 だが、理事長の孫となると嫌でも人が寄ってくるんだ。それでもクラスの陰キャの立ち位置として生活できた理由は、どんなにステータスのいいイケメン君がいたとしてもにコミュ力がなければ「あ、こいつと仲良くしても楽しくねーな」と思われる現象が最大限に引き出された状態を維持していたからなのだ。


 〈具体的な例〉


 クラスの人気者:新谷さん、プリントまだ出てないよー

    俺   :え……あ、えっと、あ、はい、

 クラスの人気者:(こいつとの会話クッソつまんねーwwマジもんの陰キャじゃんww)


 これが俺とクラスメイトとの会話である。かなり重度だ。


 人類は平等であるべきとか言ったやつ誰だよ。陰キャ陽キャってなんだよ、その時点で平等など存在していませーんww


「に………く、あ……ら、ん」


「新谷君?」

「えっ!あっ!は、はい!?な、何ですか!!??」


 この人は斉田(さいた)唯那(ゆいな)さんだ!学年、いや学校の超人気者なのだ。ちなみに俺の片思いしている人でもあり、美人だ。


でも、唯那さんが俺に話しかけてくれる理由なんて「みんな平等に仲良くしないとね♪」とか「これ落ちてたんだけど、君の?」とかぐらいしかないんだよなー。きっとそうに違いない。なにも期待してはいけない。期待しては……


「今日、放課後に新谷君の家に遊び行ってもいいかな?」


「え」


 クラス内がざわついた。


 〈ゆーちゃんがなんであいつなんかの家に!?〉〈り、理事長に用事があるんだよな……っ!〉〈ところであいつ誰?〉


誰だところであいつ誰とか言った奴。


…………クラスメイトの名前が全部わからんような俺も似たようなもんか。


「新谷君?」

「え、えーと、どういう……こと、で……しょうか……」

「そのままの意味だよ?」


 ***


 放課後


 先に結論から言おうと思う。連れてきた。


「へぇー、これが新谷君の家かー」


 まぁ、あの場で断れるわけもなく、許可せざるを得ない状況だったし、今でもあの判断は間違っていないと思うから過去の俺は悪くない!


「お茶……で、でも……い、いれ、ますね…………」

「いや……大丈夫、もう帰るから、じゃ、またねー!」

「え?あ、はい……また今度?」


 ガチャ と、ドアの閉まる音がした。


一体、何しにきたんだろうか。




 帰り道、彼女はこう言った。


「あれが、新谷君の家ね……。じゃあ、決行は今夜、窓の位置はあそこで自室が…………」




 ~夕食後~


 ピコン♪


「あ、LIMEきてる、母さんか」


 瑞希母:瑞希、例のストーカーは大丈夫なの?


「えっと大丈夫だったよっと…………」


 瑞希母:本当に?

 瑞希 :本当だってば、今日は見られている気もしないし大丈夫だよ

 瑞希母:よかった。じゃあ、おやすみなさい


「ストーカー、か…………」


 瑞希は最近誰かに見られている気がして、母親に相談してみた。結果は「ストーカーって決まったわけでもないし、そもそも俺の気のせいかもしれないのに心配性の母親がストーカーと決めつけてしまった」で、ある。本当のところはわかっていない。


「もう夜だし勉強して寝るか……」

読んでいただきありがとうございます!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ