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第20話 四大天使と七大天使


(すごい......)


 俺たちが作る建築物は、住むことに特化した作りになっているが、今いる建物は芸術品といってもいいほどの作りをされていた。ロビーは正方形の形をしており、中心部が全て空洞になっていた。そんな光景を俺たち三人が見回しながら歩いていると、アミエルさんが


「最上階にガブリエル様が居ますので、ついてきてください」

「あ、わかりました」


 そこでふと周りを見ながら思った。階段が見当たらない。そう言えば、さっきから階段らしきものを見なかった。それに加えて、天使族の人たちすべてが飛んで、上層の階に上っていた。それを見て質問をする。

 

「あの、俺たちはどうやって上の階に行けばいいですか?」

「あ~。そう言えば人族ようには作られていませんでしたものね」


(え? ってことは俺たちは上の階に行けないってこと?)


「あ! でも大丈夫ですよ。確か一カ所だけ階段があったはずです」

「よ、よかったぁ......」


 ボソッとクロエが言う。


(クロエ、やっぱり怖いんだな......)


 だけど、きちんと考えるとそうだよな。種族全員が飛べるなら、階段なんていらない。でも、階段があるってことは、翼に怪我を負った時用ってことだよな。


(こう考えると、種族って公平にはできていないよな)


 天使族は空を飛ぶことが出来るし狐人族は耳が良い。エルフは魔力が多いし、魔族は魔力と腕力が高い。そんな種族に比べて人族は何の特徴も無い。そう考えると、人族って不公平な種族だなって思う。


「ここって、ガブリエル様以外にはいないのですか?」


 ここまで大きな屋敷をガブリエル様専用の敷地なのかなと思ったので、おれは素朴な疑問をアミエルさんに言った。


「いえ、ここにはもう二人、ミカエル様とラファエル様が滞在しております」


 それを聞いて少しホッとしてしまった。なんせ、俺たちが住んでいるランドリアの王宮の数倍は大きかった。


 だからこそガブリエル様だけがここに住んでいたなら、すでに天使族テウターと人族では歴然とした戦力差が目に見えてしまうのだから。でもあれ? ガブリエル様含めて三人って? そう思い


「後一人の方はどこにいるのでしょうか?」


 そう、神話で有名なのは四大天使もしくは七大天使である。それなのにここにはガブリエル様を含めて三人しかいないっていうのがよくわからなかった。四大天使と七大天使で分けると思っていた。


「それはいろいろと複雑なのですが、天使族で有名なのは四大天使のミカエル様とガブリエル様、ラファエル様、ウリエル様だと思います。それとは別に七大天使の方々だと思います」

「はい」

「ですが、本当は四大天使の中でも三大天使ともう一人と言う捉え方もできるのです」


 それを聞いて、俺たち全員は唖然とした。


(初めて知った......)


 俺が知らない無知なのかもしれないけど、ルーナやクロエの反応を見るとそうでもないとわかる。だったら......。


「まあ、そこは今は関係ないので今後ウリエル様とお会いする機会がありましたら説明しますね」

「は、はい......」


 本当はここで説明を入れてほしかったけど、しょうがない。アミエルさんだって話したくない事だってあるかもだし、そうじゃなくても三大天使と四大天使の経緯の話が長い可能性もある。


 そのため、興味本位で足を踏み込んでいいところでは無いと思い、無難な回答をした。すると、アミエルさんが一度咳ばらいをした後、俺たちにくっついて


「では行きますよ」

「え、ちょっとまっ」


 クロエが何かを言おうとしたが、その時にはアミエルさんたちが飛び始めてしまい、あっという間に最上階に到着した。そして俺たちから離れると


「後少しでガブリエル様がいる部屋に着きます」

「「はい」」

「はい......」


 クロエだけが顔がげっそりとしていて、ボソッと言う。


「け、結局これなのね......」

「あはは」

「クーちゃんが慣れればいいんだよ~。楽しいって」

「絶対に楽しくない!!」


 ルーナが言う通り、慣れてしまえば楽だとは思う。でも、慣れるのは無理だよなぁ。俺だって、苦手なものをすぐに慣れろなんて言われても無理な話だし。


 そこから、クロエの歩くペースに合わせながらゆっくりとガブリエル様がいる部屋に進むと、通路には数々の絵が置かれていた。


(ここにあるものすべて見たことがある!)


 そう。ここに置かれている絵は全てが神話で描かれている代物であった。どれも、俺ですら知っているほど有名な絵であり、それを見ながら歩いていると、数分も経たないうちに大きな扉の前に到着する。


「到着いたしました。私たちはここでお待ちしておりますので、いってらっしゃいませ」

「「「ありがとうございます」」」


(この中にガブリエル様がいる......)


 そう思うだけで、鼓動が早まる。なんせ、俺たちは今から神話の人物と対面するのだから。そう思いながらも、大きく深呼吸をして、アイコンタクトを送ると、二人とも覚悟を決めた表情をしていたので、扉を開けた。

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「無能の雑魚」と勇者パーティを追放されたので、勇者の裏側で英雄として成り上がる。え?今更戻って来いと言われてももう遅い。


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