第5話 英雄神との対話
呆然としながら、立っていると白い靄がこちらに近寄ってきて
{また会ったね}
{あ、はい}
{それで略奪の使い方はわかった?}
{え? いや、まだわからないけど}
そんな簡単にわかるわけないだろ! リーフと戦った時だって、アドバイスがあったおかげで勝てたんだし、それ以降、略奪を使う機会なんてほとんどなかったんだから。
{そっか。まあ今回も会えたわけだし、できる限り質問には答えるよ}
{......}
質問と言われても、聞きたいことがありすぎて何から質問すればいいのかわからない。
{無いの?}
{いや、ある! ちょっと待ってくれ}
{うん。でもそんなに時間は無いよ}
そんなことわかっているよ!! 今がどれだけ貴重な時間なのか。そして、ここに居られる時間も限られていることも。
{まず、あんたは誰なんだ?}
{あ~。前も言ったけど覚えてない?}
{覚えてないって言うか、その時声が聞こえなくて}
そう、この場から離れる時に何かを言われたことはあったが、聞き取ることが出来なかった。
{まあ名前は教えられないけど、英雄神とだけ言っておこうかな}
{英雄神......}
本当に実在していたのか。略奪を使い始めてから、周りから英雄と言われるようになったのと同時に、エルフの国の文献で書かれていた内容では、略奪は英雄が所有するスキルであることはわかっていた。でも、それが本当に真実なのかわからなかったが、これでやっと真実なのが分かった。
{それで他には?}
{略奪の使い方は?}
{それは言えないな~。君の成長の妨げになっちゃうから}
{だったらなんでリーフと戦った時は教えてくれたんだよ!!}
成長の妨げとか言うなら、リーフと戦っていた時が一番成長できていたに決まっている。それなのにあの時、英雄神は略奪の使い方を少しばかり教えてくれた。だったらいいじゃないか。
{わかったよ。でも途中までだよ}
{あぁ。頼む}
すると、英雄神は淡々と話し始めてくれた。
略奪には二種類あるらしい。一つ目は意識の無い相手、例えばモンスターたちのスキルを奪えること。このパターンならどんな相手でもスキルを奪うことが出来る。
そして二つ目は、意識をきちんと持っている相手。例えば、人間や魔族など。このパターンなら、スキルを奪うプロセスが必要らしい。
まず、相手の核となる部分を狙って略奪を使用すること。次に、指定時間内に奪ったスキルのどれか一つを使うこと。そして、相手を殺す及びそれに近い状態に持っていくこと。
{これでいい?}
{ちょっと待ってくれ。だったらなんで俺はルッツのスキル、宝石を奪うことが出来たんだ? あいつは今も生きているぞ}
{それは宝石がスキルであって、スキルじゃないからだよ}
{は?}
意味が分からない。スキルであってスキルじゃない? 宝石は紛れもなくスキルだろ。
{まあそれは追々わかっていくと思うよ。略奪だって実際、スキルであってスキルじゃないから}
{......}
{それに君が使っている略奪だってまだ段階としては......}
{え?}
段階ってなんだよ!! 俺はそれについても聞こうとした時、徐々に意識が遠のいていくのを感じた。
{最後に! 英雄神の姿を見せてくれ!!}
{あ~。良いよ}
すると顔は見れなかったが、徐々に小さな男の子になっていった。
{じゃあね~}
{ちょ!}
そして意識が飛んでいき、俺はベットの上で目を覚ました。
(本当に精霊王の湖は意味があったんだな)
そう思いながら、居間に降りて行った。




