第4話 勇者と英雄の同時クエスト
次話ら編よりざまぁが入ってきます。
俺が黙りこんでいると、ロンドは壁を叩きながら怒鳴ってきた。
「だからどのクエストを受けるんだよ!」
「ミノタウロス討伐だけど?」
俺は、いつもより平常心を保っていられていた。多分だが、自分でやるべき方針を決めたこと、そして勇者に対して興味が失せたからだと思った。
「そうか。じゃあ俺たちもそれを受けるわ」
「は?」
流石にそう言われるとは思ってもいなかったので、声を上げてしまった。だが、それはルーナやクロエも同じだったようで、二人もロンドのことを嫌な目で見ていた。
「だから俺たちもミノタウロス討伐をうけるって言っているんだよ」
「でも、ミノタウロス討伐はCランクパーティ以上じゃなくちゃ受けられないぞ?」
「そんなこと知ったことか。俺は勇者だぞ? たかが一般人のランクに囚われるわけないだろ!」
そう言いながら、同じクエストを受付嬢に渡しに行った。
(あいつ、なんなんだよ)
「なあ、どうする? 他のクエストでも受けるか?」
「変えなくていいよ! 私たちが先にミノタウロスを倒せばいいことでしょ」
「ルーナの言う通りだよ! なんならここで見返しましょ」
「......。まあそう言うことならいいけどさ」
そして、俺たちもミノタウロス討伐のクエストを受付嬢に渡す。すると、受付嬢は頭を下げて
「先程、勇者様も同じクエストを受けたのは知っていますか?」
「はい。もしかして受けられないとかですか?」
まあ、流石に受付嬢がそう言うならしょうがないかと思ったが、思いもよらない言葉を言われて驚く。
「でしたら、勇者様の援護をしていただけないでしょうか?」
「え?」
俺が呆然としていると、ルーナとクロエは怒鳴った。
「なんで私たちが援護しなくちゃいけないんですか!」
「そうですよ! 私たちは私たちでやるだけです」
すると、受付嬢は少し俯きながら
「そ、そうですよね。ですが、ここ最近勇者パーティがうまく行っていないと聞いているので、もしものことを考えてしまいまして」
(そ、そうなんだ)
あいつら、うまく行っていないのか。それも受付嬢が直々にお願いをしてくるってことは、思っている以上にやばいのかもしれない。
「でしたら俺たちが先に倒すように頑張ります」
「はい。お願いいたします」
(本当は敵対なんてしたくないんだけどな)
俺はロンドのことを認めている。勇者であるのだから、今後確実に世界を救う人材になるのは間違いない。だからこそ、ロンドとは敵対をしたくないし、頑張ってほしいとも思っている。
そして、俺たちはギルドを後にした。昼食を取っている時、ルーナとクロエはまだ怒っていた。
「なんで私たちが!」
「そうよ! それもメイソンを追放したんでしょ? そんな奴らをなんで」
(二人とも俺のために怒ってくれてありがとな)
「しょうがないよ。魔王を倒せるのはロンドしかいないんだからさ。まあ、俺たちが先にミノタウロスを倒せばいいことだしさ」
そう、ロンドたちを援護するのは難しいが、俺たちが先に根本となるミノタウロスを倒してしまえば、ロンドたちも被害が無い。
「そうね! じゃあ早めに行こう!」
「そうだね!」
こうして、ミノタウロス討伐の準備を始めた。屋敷に戻ると、ルーナは部屋から杖を取ってきて手入れを始めた。クロエは自身が使っている剣の手入れを、俺は魔剣グラムの調整をした。
そして、全員で道具屋に向かい、ポーションや食料を買って、翌日出発した。
★
一週間程経って、ミノタウロスが生息していると言われている遺跡に到着する。
(......)
俺より数倍でかい石の鳥居が何個も崩れ落ちて、奥の方に地下へ進む階段を発見した。
(あそこが遺跡の入り口か)
そして、俺たちが中へ入ろうとした時、遺跡の中からロンドたちが出てくる。
「メイソンおそくねーか?」
(え?)
お前たち、早すぎるだろ。
「いつからここにいるんだ?」
「もう一週間は経つな」
「.......」
「俺たちは勇者パーティだぞ。転移水晶ぐらいたくさん持っているに決まっているだろ。お前たちみたいな雑魚パーティと一緒にするな」
(クソ)
流石に勇者だからって優遇されすぎだろ。
「俺たちも今から入るところだから、お互い頑張ろうな」
「は? もうすぐミノタウロスなんて倒し終わるんだから、お前たちは帰っていいぞ」
すると、ルーナとクロエが声を上げようとしたが、それを止める。ここで喧嘩したところで意味がない。それにお互い喧嘩した状態で入って、敵対するのが一番意味がないから。
「まあ、頑張ろうぜ」
俺はそう言って遺跡の中へ入って行った。
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