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「暮らし」など

サイレント・ファッション

作者: 維酉

夏服の

薄くてあやふやな肌触りは

しらない予感をみつけてくる

家の廊下の涼しいあたりで

まどろみがちな三毛猫の

ちょっとサイレントなふう


衣服をまとうたび

季節はわたしになっていく

限りない可能性のひとつとして

わたしは服をまとう

涼しげで

みょうにあいまい

あんまりシワがつくと

なんとなく苦笑い


暑さは破綻しない

そしてちょっとずつ外へ

熱の鳴るほうへ

家の鍵をとり

玄関の

錠をかちりとまわし

なぜか呼吸が浅く

刹那だけ寂しそうにし

かなしいにおいがすれど

なまめかしい季節が

わたしを誘うから


ゆっくり ゆっくり

夏の扉をひらけば

猫が目を覚まし

ひかりが、差し込む


わたしは

可能性のひとつとして

夏を愛している

その衣服の

あいまいな肌触りに

わたしを包みこむような

静謐なリフデ

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