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クライマックス
一度、最高潮を迎えた風は一度静けさを取り戻す。
木管が美しいメロディーを奏で、伴奏は静かに、重厚に。
また、元のテンポに戻る、ホルンは対旋律を奏でる。一番の魅せ場だ。
左にいる先輩のベルからも熱のこもった音が鳴っている。これを聴けるのはホルン奏者の特権だろう。
また、風は、音は、クライマックスを迎える。
雄大に、壮大に。
風はどんどん大きくなり、右からはティンパニが響く。
大きく大きく大きく大きく。
最後はtutiiで締められるものの、和音的には次を期待させる音だ。
風は途切れない。
余韻がきれるころ。先生は自分達を立たせ、お辞儀をし、客席からは
袖で聞いたのと同じ拍手が送られた。