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Vivace
先生が短く、素早く棒を上げ、下げる。
ティンパニがテーマを叩く。木管楽器がそのテーマを返す。
また、叩く。返す。それがどんどん大きく、間隔が狭まってく。
どんどんテンションが上がっていく、左後ろから、トロンボーンがサウンドを厚くしていく。厚く、厚く。
木管の連符が駆け上がり、金管はリズムを刻み始める。軽快かつ、豊かに。風は交わりながら、色々な方向に分かれ、出会い、前に進む。
大きく、小さく、風は表情をかえながら、前に前に。
低音に風が渡る。重厚なサウンドがホールに響く。
トロンボーンに風が渡る。荒々しくも美しい。
風は階段の上るかのように、一段階ずつ大きくなって、小さくなって。
また大きくなり、解放される。
風は交わり、分かれ、出会い、流れながら、また速く、強く、豊かに。前に前に前に前に。
クライマックスを迎える。