ステージ袖。
保科洋作曲、風紋です。この曲は1987年全日本吹奏楽コンクールの課題曲であり。吹奏楽界においての名曲として幅広い世代に知られています。現在においても風紋の人気は衰えていません。
風紋とは、風によって出来る文様のことです。
ゆったりとした木管の穏やかなメロディーと、凛々しい金管のメロディーで作られる前半部分、テンポが上がり溌剌とすすんでいく後半部分によって作られる表情豊かな風紋を、お楽しみください。
ステージ裏、前の団体の演奏を聴くと、緊張が体を固くする。何回ステージに上がろうと慣れない。つばをタオルハンカチに出す。一音目で「ぶつぶつ」って、つばの音がでるなんて許されない。というか、自分は許せない。
今日はコンクール。新人戦だ。3年生が夏のコンクールで引退されて、自分達だけのはじめての順位がつく演奏。我が高校はこの地区で三本の指にはいる。一校は毎度全国行きをかすめる強豪私立。もう一校は、わが校と県大会行きを争うまた私立。我が校は公立高校で、よく、自称進学校といわれるようなそこそこにお勉強ができる学校だ。今年は県大会にでている。
そろそろ、自分達の番だ。「Mont-Fuji」という有名曲のためいつ終わるかぐらいわかる。「ホルンのグリッサンド上手いな」とか思う。
演奏が終わった学校に大きな拍手。さぁ、ステージに出よう。
仲間と視線を交わらせ、ひとつ、深呼吸した。