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学校初日


入学式がおわり、入学式が行われていた体育館から振り分けられたクラスへと戻る各々。

校長先生からの言葉という項目でゃ全く喋らない変わり者の校長先生がただ壇上に上がってきてお辞儀をして終わるという光景や、ヒロインの一人でもある生徒会長、華佳 麗の言葉もあったがそれ以外は大した変わりのない普通の入学式だった。


優希は圭介となじみの幼馴染トリオで同じクラスだったこともあり会話は弾むが周りは当然会ったばかりで会話などはまだ少ない。

三人が廊下で話している声が少し目立つ。



「生徒会長さん美人だったなー!圭介もああいう人がタイプなんじゃないか?」


「別に」


「なんだよー、つれねぇなー!」


「でもすごい人気だったよね…!周りの子達が皆キャーキャー言ってて私もびっくりしちゃった」


「男からも女からも好かれるって感じだな、男は皆デレデレしてたのがわかるし」


「二人はそんなこと無かったね…?」


「圭介は色恋興味ねぇみたいな面してるしなー」


「別にそういう訳じゃねぇよ」


「優希くんが露骨すぎるだけなんじゃないかな?」


「それは俺も思う」


「良いじゃん!せっかくの高校生活だぜ?彼女の1人や2人作って楽しまないと!」


「そういう癖に生徒会長さんには反応してなかったな」


「そういえばそうかも」


「なんか高嶺の花って何か別次元過ぎて…」


「ちょっと分かるかも」


「優希でもそう思う時があるんだな、意外だわ」


「ねー」


「二人して酷くない!?……でもお近付きになれるもんならなりてぇよなー」


「撤回、いつも通りの女好きだ」


「いやいや、普通の男子高校生なら思うだろ!」



そんなことをは話していると教室へとたどり着く。

体育館から一年生の教室は多少距離があるものの会話しているとすぐだ。

3人の雰囲気に飲まれてか、周りにも会話が徐々にだが広まっている。

教師が来るまでは自由時間のようで特にすることもない。



「でも俺らより歳が一個しか違わないのに生徒会長っていうのは凄いよな」


「やっぱり人を惹き付けるところがあるのかな?」


「かもな」


「歩いてる時の凛とした感じとか綺麗だったしなー、盛り上がる気持ちも全然わかる」



あの慕われようや人気をみて、あの人と多少仲良くならなきゃいけないのか…と少しへこんでしまう優希だが恋人になる可能性もある圭介よりは楽かと気を持ち直す。

当然主人公とヒロインのイチャイチャを見るためにはそんな弱気なこと言っていられない。

そもそもまあまあこの高校に入る段階で苦労しているので多少の事ならもう乗り越えられると自負できるが。



「あれっ、なんかこのクラス結構盛り上がってんじゃん」



そういいながら入ってきたのは二十代後半くらいの女性。

黒い髪の毛を結び肩のところから前に出すいわゆるサイドポニーテールと呼ばれる髪型で、スーツなところから生徒じゃなく教師だということが分かる。



「はーい、一旦静かにね…えー、このクラスの担任の小林 みやこです。一年間よろしく」




そういいながら黒板に名前を書く。

中学生からの名残で先生の自己紹介が終わると拍手鳴る。



「んじゃ、まぁ今日は入学式で終わりだし…なんか決めなきゃいけないこともあるけどすぐ決めんのは大変だから、プリント配り終えたら取り敢えず自己紹介だけして解散しようか」



いえーい!と露骨な盛り上がりを見せるクラス。

帰れるとなった時に喜ぶのは学生の常である



「はい、じゃあー…出席番号でいいか、新川」


「うっす!えー、新川 優希です!目標は彼女を作ってリア充生活!皆で仲良くして行けたらなと思ってます!一年間よろしく!!」


「はい、拍手…ていうかよくお前全員の前でそんなこと言えるな」



ぱらぱらと拍手が鳴るが引いている人もいるのだろうかまばらだ。

ちょっと先生も驚いている、というか普通に引いている。



「隠しても仕方ないっすからね!」


「まぁ

正直なのは悪いことじゃない、それじゃあ次…去来?難しい苗字だな…」


「去来 圭介です。部活はまだ悩んでますが何か運動系に所属しようと考えています。一年間よろしくお願いします」


「はい、まるでお手本のような自己紹介だな。素晴らしい……じゃあ次は糸勝」


「はい」



その後も全員分の自己紹介が進み終わったところで先生が「んじゃ今日は解散」と言って教室から出ていってしまった。



「圭介ー!なじみー!帰ろーぜ!」


「おう」


「うん」



配られたプリント等をカバンに荷物を纏めて二人に声をかける。

三人が教室から出ようとして圭介が教室から出た瞬間になじみが優希の制服の袖をちょいちょいっと引っ張る。

どうかしたのかと思い振り向くと、小声で優希に向かって囁きはじめる。



「優希くん…この後なんだけど…」


「あー…ごめん、今日ちょっと用事あって…」


「そうなんだ…」


「明日の放課後は空いてるし、そっちで」


「分かった!」



優希がなじみからこう聞かれるのは中学生の頃からよくあることで、圭介のことに関しての恋愛相談に乗って欲しいときだ。

今日は家に妹と自分の二人しかいないので飯を作らなくてはならないから断ってしまったため細かい話はまた明日聞くことにしよう。



「二人ともどうかしたのか?」


「いんや、なんでもねーよ!それじゃあ行こうぜ!」


「おいおい、そんなに急ぐなよ」


「ふふっ、ああやってはしゃぐのが優希くんの良いところじゃない?」


「まぁ、悪いところでもある気がするがな」


三人で下駄箱に向かい会話しながら家路についた。


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