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大魔導士「ベギ〇ゴンって何属性ですか?」  作者: 藤原キリオ
パーリーピーポー編
8/57

08:同い年の四人




 結局、レヴィアさんたちは一週間くらい村で過ごした。

 基本的に森で探索してたみたいだけど、ちょこちょこ会って話すことが出来た。

 サルーノさん以外のメンバーとも会えて話せた。



 彼らは『森林の聖風』というパーティーで、ランクは銀らしい。

 冒険者のランクは、鉄<銅<銀<金<ミスリル<アダマンタイトとなっており、鉄から金は通貨と同じだったりする(鉄貨~金貨)。

 アダマンタイトランクは国に数人いればすごいってレベルらしく、ミスリルでも英雄扱いなのだとか。

 そう考えると、『森林の聖風』はベテランとか上級者とか、そんな存在なのだろう。



 パーティーメンバーは、リーダーで盾戦士のパベルさん、剣士のチュードさん、槍士のミクリオさん、回復術士のレンさん。それに、魔法使いのレヴィアさんと、狩人のサルーノさんで六人。ちなみにレンさんとレヴィアさんが女性。

 六人パーティーというのはオーソドックスで、職種編成もバランスがいいらしい。前衛二人、前中衛が一人、後衛が三人かな?

 他のパーティーを見ても五人前後だが、二人というパーティーもあれば、十人以上のパーティーもあるんだとか。ずいぶん極端だな。 



 パベルさんたちも、レヴィアさんからオレの事を聞いていたらしく初めて会った時は苦笑いしていた。


「パーティー内で内緒話はダメでしょ?安心して、みんなバラしたりしないわ」

「チッタさんを敵に回すつもりはないよ……」


 四人とも肩を落としていた。どんだけだよ、おばば。謎の圧力だな。

 ちなみにサルーノさんは後ろで大笑いしていた。



 パベルさんとミクリオさんは、魔法をほとんど使えないとの事だったので、他の四人から実戦的な魔法についていろいろと聞けた。

 剣士のチュードさんも肉体強化系の魔法を使っているらしい。

 一緒にいたクロが、話しに食いついていた。実際に剣の手ほどきも受けていたし、クロも満足そうだ。 

 

 

 一週間後、『森林の聖風』の面々は村を出て行った。

 いい人たちだった。

 だいたい一年ごとに来ているらしいので、また来年、いろいろと教わろう。

 その時までに覚えることも多い。



……

………



 それからしばらくして、オレとクロはモンスターじいさんの家に来ていた。

 なんだかんだで伸び伸びになっていたし、行ってみるかという話になったのだ。



 トントントン

「すみませーん」



 四歳児なんだからノックの回数なんて気にしない。

 って言うか、よく分かってない。



 ガチャ

「はーい」



 と、扉を開けたのは少し年上の男の子だった。

 八歳くらいか?金髪・短髪のイケメン少年である。

 驚いた顔をしてるのはなんでだ?



「えっと、ここ、モンスターじいさんのいえですか?」

「あ、ああ、そうだけど、今、がいしゅつしてるんだ」

「そっか、で、あなたがこども?まご?」

「いや、おれは教会のとこのデュークっていうんだ」

「教会?クラウスさんとこの?」



 クロが言うクラウスさんというのは、村の中心にある教会の神官さんだ。

 魔法による治療や、催事でも人前に立つから有名人でもある。



「そうそう。クラウス・ドラグライトがおれの父さんだよ。きみらは、アレク・アルツとクローディア・チャイリプスだろ?」

「えっ!なんでしってるの!?」

「そりゃ小さなむらだしな。同い年のなまえくらいわかるさ」


「同い年?」

「おれと、きみらふたり。それと、もうひとり、ビーツってのがいる」

「「えーっ!」」



 こいつ四歳かよ!オレより十センチは高いぞ!?

 しゃべりも元・三十六歳のオレよりしっかりしてるし!



「としうえだとおもった……」

「だよな。オレもだ」

「はぁ……よくいわれるよ」



 でしょうね。



「で、デュークはなんでここに?」

「あぁ、本をよませてもらってるんだ。ここにはいっぱいあるからな。チッタさんのとこにも本かりにいってるぞ?」

「まじで?オレまいにち行ってるけど、みたことないぞ?」

「アレクは朝とか昼だろ?おれはだいたい夕方だからな」


「すれちがいかー。おばばもおしえてくれればいいのに」

「たいていアレクって、おばあちゃんの家にはいるとどうじに、しつもんするじゃない。せけんばなしなんてするの?」

「あ、そういや、ほとんどしないな」



 おばばー!〇〇ってどうやるのー?と言いながら入るのがデフォルトになっている。

 そこからぶつくさ言われながら教えてもらうのが、授業スタイルである。

 いや、夜に自主練で気になったところを、次の日に早く聞きたくてね。朝ご飯を食べたら、直撃するのだ。



「ハハハッ きいてたとおり、おもしろいな、アレクは」

「あー、おばばがなにかいってた?」

「あぁ、でもはんぶん、弟子じまんだとおもうぞ?」

「もうはんぶんが気になるんだよなぁ……」

「そりゃいわないさ。いったら本をかりづらくなる」



 結局、この日はモンスターじいさんに会えず、デュークと話すのみとなった。

 聞けば神官の息子として、教義の勉強や、治療、光魔法の鍛錬などしつつ、四歳にしてクラウスさんのお手伝いをしているらしい。

 それが終わって、自由時間に本を読むのが趣味なんだと。

 教会にも本はあるが、モンスターじいさんの家やチッタおばばの家のほうが量があるらしく、図書館感覚で来ているとの事。



 その後、一年くらい、毎日おばばの家に行き、修行し、時々クロと遊び、ごくたまにデュークと会ったりした。

 一日一日が忙しく、魔法が上達できている事を実感し楽しい。そんな毎日だった。

 そして五歳となり、いよいよ『神託の儀』を迎える。



……

………



 その日は朝から出かけた。両親も一緒である。

 ついでにクロの家にも寄り、クロと両親も合流。

 六人で村の中心、教会へと向かう。



 教会に入ると、デュークともう一人、小柄な少年が喋っていた。

 親は親同士で談笑している。



「おはよー、デューク。そっちがもしかしてビーツ?」

「おはよう、アレク、クローディア。紹介するよ。ビーツだ」

「よ、よろしく!アレクくん!クローディアさん!」


 

 ずいぶんとおどおどした少年だ。

 なんか見るからに五歳児って感じで、好印象である。

 青と黒を足したような髪の毛で、オレと同じくショートボブっぽい。



「よろしくね、ビーツ!私はクロでいいよ!」

「よろしくな、オレはアレクだ」

「う、うん!えっと博士の家に来てくれたんでしょ?会えなかったけど、デュークくんから聞いたよ!」

「「ハカセ?」」

「お前らの言うモンスターじいさんの事だ。ビーツは博士って呼んでる。俺はちゃんとシュタインズさんって呼んでるぞ」



 シュタインズさんって言うのか、モンスターじいさん。

 博士ってのは『モンスターに詳しい、モンスター博士』ってことか?



 そんな事を話しているうちに、初老の男性が壇上に出てきた。村長だ。さすがに知ってる。

 それに、デュークの親父さんのクラウスさんと、もう一人、神官っぽい人。

 さらに、白鬚の老人と、チッタおばば。……えっ!チッタおばば来てたの!?しかもお偉いさん側!?

 で、白鬚の老人がモンスターじいさんこと、シュタインズさんらしい。ビーツが「あ、博士」ってつぶやいてた。



 オレたちも慌てて、席につく。

 祭壇の手前に椅子が四つ。後ろが父母席だ。

 さらに後ろに村の面々。村民全員ではないが、結構な数が入っている。

 オレたちは右からデューク、ビーツ、クロ、オレの順で座った。



「ではこれから、本年の『神託の儀』を執り行う」



 町長が前に出て挨拶を始めた。



A:アレク 一人称「オレ」茶髪ボブ

B:ビーツ 一人称「僕」青っぽい黒髪ボブ 小さい

C:クローディア 一人称「私」金に近い茶髪ロング

D:デューク 一人称「俺」金髪短髪 デカい

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