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大魔導士「ベギ〇ゴンって何属性ですか?」  作者: 藤原キリオ
シェケナベイベー編
33/57

33:王都のギルドマスター



「ばかもーーーん!!!」



 雷が落ちた。決してライ〇インではない。

 王都に入って少し進むと『ンドラの鍛冶屋』があった。

 ンフィールが恐る恐る扉を開いたら、この様だ。

 クロとビーツにサガリとミスリルゴーレムを任せ、オレはデュークやパベルさんたちと店内に居る。



「ご、ごめんなさーい!」



 まあそうだよね。ンフィールが全面的に悪いもの。フォローはするけどちゃんと怒られるべきだ。

 ンドラさんを宥めつつ、事の経緯を説明する。



「チアーゴ盗賊団に捕まった!?坊主たちが来てくれたからいいものの、いつ殺されてもおかしくなかったんじゃぞ!このバカ娘が!」

「ううう……ごめんなさい……」

「はぁ……とりあえず説教は後じゃ。坊主たち……『魔獣の聖刀』と言ったな。改めて礼を言う。娘を助けてくれて本っ当に恩に着る!もちろん護衛依頼という事で依頼料も払う。明日にでもギルドの方へ話は通しておくわい。パベルたちも悪かったな」

「俺たちは何もしてないさ。全部、アレクたちのお手柄だ。礼ならこいつらに言ってくれ」

「そうか。依頼料の他にもワシに出来ることなら喜んでやるから、何でも言ってくれ。武器でも鍋でも作るぞ!」



 実はンドラさんにお願いしたい事はある。

 でも今それを話し出すと長くなる。これからギルドに行って、宿もとらないといけないのだ。



「また明日以降に来ますよ。ちゃんと客としてお金を持ってね。その時はお願いします、ウドラさん」

「ンドラじゃが」

「……ン・ドラさん」



 言いにくいんだっつーの。



……

………



 ンフィールも無事に送り返したところで、また大通りを進む。

 相変わらずサガリとミスリルゴーレムが目立っているが、誰もオレたちではなく『森林の聖風』の手柄だと思っているので気にしない。

 二十分ほど歩いて、冒険者ギルドへとやって来た。さすがに王都のギルドはデカイ。夕方という事もあって人も多い。皆、今日の依頼を終えて帰って来たのだろう。



 ギルドの脇にサガリとミスリルゴーレムを置いたが、さっそく冒険者たちが騒ぎ出す。生でミスリルゴーレムを見たことある人など、そうはいない。

 サルーノさん、チュードさん、ミクリオさん、レンさんにお任せして、パベルさんとレヴィアさん、オレたち四人はギルド内に入った。



「パベルさん!?依頼はどうなさったんですか?」



 受付嬢の一人が席を立つ。受付を並んでいた冒険者もいたが『森林の聖風』だと知ると、他の列に並びなおした。さすがミスリル級。



「ああ、依頼はすでに終わっていたよ。報告はギルドマスターにしたいんだが、取り次いでもらえるか?」

「えっ、終わってたって……あぁ、分かりました。今、お呼びします」



 受付嬢さんは二階へと上がって行った。

 そしてすぐに下りてくると、オレたちは二階の執務室へと案内される。

 パベルさんがノックし、部屋に入ると、そこには綺麗な女性のエルフがいた。真っ白なローブに金髪の長い髪。若々しいがエルフだから年齢は分からない。



「パベル、報告があるそうだな。鉱山調査の件か?そこの四人は?」

「ええ、鉱山に向かっていたら彼らが鉱山調査を終えて向かってきた所で合流しましてね。彼らは銀級パーティーの『魔獣の聖刀』と言いまして、パーリーピーポー村に行った時に見知った子供たちなんです」

「初めまして。『魔獣の聖刀』のアレキサンダー・アルツと言います」



 オレは軽く自己紹介し、他の三人も続く。

 オレはサタデーナイトのギルドマスターから受け取った手紙を、王都のギルドマスターに渡した。



「ふむ。……セルティックも相当入れ込んでいるな。一月も経たずに金級間近か。まぁこれは後日に改めて相談しよう。今は鉱山調査の報告が先だ。で、今は銀級の『魔獣の聖刀』がミスリルゴーレムを倒したと?」

「それなんですが、ミスリルゴーレムは五体いたらしいんです」

「何!?……鍛治ギルドの連中め。ちゃんと下調べもなしに依頼しおって。これはミスリル級パーティー一組じゃ厳しい依頼だな。依頼料を上乗せせねば……。で、それを確認して戻ってきてくれたのか。いや、戻れただけでも大したものだ」

「いや、倒して五体とも運んできたんです」

「……は?」



 パベルさんの説明にギルドマスターが驚く。口と目が開いたまま止まった。こんなんでも綺麗だなー、さすがエルフ。



「えっ、銀級だろ?しかも新人。ミスリルゴーレム五体を倒したのか?」

「ええ、今、ギルドの横に置いてます。うちのやつらに見張らせてるんで、早めに受け取って欲しいんですが」

「……とりあえず分かった。これも詳しくは後日に相談だ。そうか、外が騒がしいのはそれか……すぐに倉庫に運ばせよう」



 頭を抱えながら、職員を呼び、ミスリルゴーレムを引き取ってもらう。

 入れ替わりに番をしていた『森林の聖風』を執務室へと呼ぶ。

 その間にどうやって運んだという話になり、サガリの従魔証を発行してもらうようにも頼んだ。



「スレイプニル……?チアーゴ盗賊団壊滅……?手紙にあったシュタインズ様の弟子とはこれほどの……いや、他の三人のこともだ、書いてあった限りでは……」



 とかブツブツ呟いている。

 何を書いたんだ、あのギルドマスターは。

 そうこうしているうちに、『森林の聖風』の四人が入ってくる。



「ありがとうございます、皆さん」

「いいってことよ。スレイプニルと荷台はあとで消しておけよ?今は厩舎に入れてもらってる」

「分かりました」



 お礼にサルーノさんが答えてくれた。

 全員集まったところでギルドマスターが話し始めた。



「では依頼報酬の話しをしようか。まぁこれから鍛治ギルドに文句を言って依頼料を上げるつもりだがな」

「オレたちは報酬はいりません。彼らに全部お願いします」

「パベルさん!?ダメですよ!オレたちは横紙破りしただけです。調査依頼は受けていませんし、ゴーレムと護衛依頼だけで十分です」

「ちょっと待て、護衛依頼?」



 ギルドマスターが聞いてきたので、ンフィールの話しもする。



「ふむ。じゃあそれは明日にンドラが来てから処理しよう。これは正しく『魔獣の聖刀』の依頼だな。で、調査依頼の報酬だが、確かにアレキサンダーの言う通り横紙破りではある。普通はちゃんと依頼を受けて向かった『森林の聖風』に何割。実際に調査した『魔獣の聖刀』に何割、とする所だが?」

「それは分かってますが、まあ今回は本当に何もしてませんし、こいつらは見知った連中です。冒険者になったお祝いとでも思ってくれ」



 パベルさんの言葉に『森林の聖風』の面々も笑って頷いている。

 ここまで連れてきてくれて色々と手続きまでしてもらったのに申し訳ない気持ちが強いが、ここは受けるのが筋だろう。

 クロ・ビーツ・デュークと目を合わせ、ありがたく受け取る事にした。



「じゃあ、報酬は全て『魔獣の聖刀』にするぞ。さっき言ったとおり一度鍛治ギルドに掛け合うつもりだから、受け渡しは後日だ。それとミスリルゴーレムはどうする?全部買い取りでいいのか?」



 これは先に相談しておいた。三体を全て売り、二体は解体しミスリルの素材の状態でギルドに保管してもらう。

 冒険者ギルドには貸金庫のようなシステムがあり、素材や荷物を預かってもらえる。金を預けて銀行のように使うシステムもある。

 ミスリルを山ほど持ち歩くわけにもいかないので、今回は預けることにした。

 ちなみに肩から折れた部分があったので、それは手持ちにしている。装備品に使いたいからだ。

 解体料や保管料金は、売った三体分から引いてもらうことにした。



「分かった。三体だけでも買い取らせてもらえば有り難い。ミスリルゴーレムの体は普通のミスリル鉱石より純度が高いからな。需要は山ほどある」



 なるほど。じゃあやっぱ持って帰って来て正解だったな。



「話しは以上だな。では『魔獣の聖刀』は下で従魔証を受け取ってくれ。報酬やミスリルの受け渡し等々は明日以降。遅くとも明後日には出るだろう。あぁチアーゴ盗賊団の件もあったな。そっちは時間がかかると思うから連絡が来たら教える。いいな」

「分かりました。よろしくお願いします」



 こうして、ギルドへの報告は全て終えた。

 厩舎に寄り、サガリに従魔証を付けてから送還。荷台もオレが消した。



「パベルさん、皆さん、ありがとうございました」

「何、さっきも言ったが冒険者となったお祝いだよ。本当は宴会でもしたい所だが、来たばかりで疲れてるだろ?宿の充てはあるのか?」

「あ、ギルドで聞くつもりだったんですよ。今から聞いてきます」

「いや、なら俺たちと同じ宿でいいんじゃないか?それなら宿で夕食ついでに軽く祝えるしな」

「えっでもミスリル級パーティーの宿なんて高いんじゃ……」

「そこは安心してくれ。俺たちが銀級の頃から使ってる宿でな。少々こじんまりしてるが飯がうまい。そして安宿に珍しく風呂付きだ」



 風呂付き!それでオレたち四人の目付きが変わった。決まりだな。



「じゃあそこにします!よろしくお願いします!」

「分かった。少し歩くが構わないな?目指すは『猫の安らぎ亭』だ」



 なんとなく受付は猫獣人なんだろうなーと思った。



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