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大魔導士「ベギ〇ゴンって何属性ですか?」  作者: 藤原キリオ
シェケナベイベー編
30/57

30:突発的護衛依頼及び調査依頼



 王都まであと一日といった所、オレたちは街道を歩いていた。

 途中のバディーコンシャース村で補給をし、宿に一泊。

 また歩き出して二日目になる。



「きゃあああ!!!」



 そんな悲鳴を聞いたのは、夕方頃だった。

 「魔物に襲われてるのか!?」そう思ったオレたちは、駆け足で悲鳴の元へ急ぐ。

 緩やかなカーブの先、森に入ってすぐの所で、女の子を担いだ男たちを見つけた。



「また盗賊か!」



 実はサタデーナイトの街を出てから、バディーコンシャース村に着くまでに、一度盗賊に襲われた。

 夜警の時を狙われたが、その時の番がオレとクロだったので、子供の男女に見えたのだろう。

 ちなみに夜警の順番は、オレとクロ、デュークとビーツ、三大妖の三交代制となっている。ビーツと従魔には面倒かけるが了承済みだ。

 と言うか、オレとクロの番の時にビーツは従魔と戯れているので、ビーツは毎日三時間程度しか眠っていない。

 よく持つものだと思ったが、戯れている最中も結構眠っているらしい。タマモの尻尾に包まって。正直羨ましい。



 そんな事より、今は盗賊だ。

 女の子を担いでいるから、魔法で一気にというわけにもいかない。



「クロ!ビーツ!」

「「了解!」」


「な、なんだお前ら!」

「ガキ!?冒険者か!」



 こちらに気付き剣を構えようとするが遅い。

 クロの速さと、ビーツの鞭のリーチに敵うはずがない。

 顔面を剣の腹で殴られ、足を鞭で裂かれ、あっという間に戦闘不能にする。

 気を失っている所を手持ちのロープで拘束した。



「どうする?一応拘束したけど、王都まで運ぶか、殺したほうがいいのか」

「せっかく捕らえたんだから、王都に引き渡したいわね。こないだのは無理だったし」

「では運ぶか。アジトはどうする?こいつら三人だけって事ないだろ」

「ですよね。でもいっぱい居たら、大人数を連行とかできますかね」



 出来る・出来ないで言えば出来る。でも面倒なことこの上ない。

 王都に着くまでに一泊は野営しなければならない。そうなるとビーツの従魔にお願いする事が多くなる。見張り・連行などなど。

 この三人でさえ、シュテンに引きづってもらった方が楽だ。



「とりあえず、この女の子をどうにかしよう」



 気を失っている女の子に、デュークが回復魔法をかける。



「ん……あ、あれ?」

「気が付いたか?俺たちは冒険者だ。君が盗賊に捕まっていたから助けた」

「えっ!あ!盗賊!そうだ!」

「落ち着け。もう盗賊は捕らえている。ほら」



 デュークが指さす方には拘束されて気を失っている三人の姿がある。

 安心したのか、泣き出した女の子をクロが慰め、落ち着かせた。

 なんで女の子が一人で、こんな所にいるのか。それを聞きたい。



 どう見てもオレたちより年下に見えた彼女は、王都の鍛冶屋の娘で、名前をンフィールというらしい。

 種族はドワーフ。年齢は十八歳だと言う。



((((年上!?))))



 なんでもこの付近にある鉱山に魔物が出た事で、王都は鉱石不足なんだとか。

 冒険者ギルドや国の衛士が動いているらしいが、未だ改善されず。

 店の危機と感じた彼女は、一人で鉱山の様子を見に来たらしい。



「なんて無茶な事を……」

「こ、鉱山の入口くらいなら魔物も出ないし、掘れると思ったのよ……」



 朝一で王都を出て、もうすぐ鉱山だという所で、盗賊に捕まったらしい。

 国の衛士が鉱山の件で動いてるのなら、なんでこの盗賊はここに居たのかって話だ。こいつらバカなのか。



 で、オレたちはどうしようか、となる。

 現在、長旅の途中で荷物が多い。さらに拘束した盗賊三人。さらにンフィールという(見た目)幼女。

 盗賊もアジトを潰すことも、鉱山の調査をする事も出来ればやめたい所だ。

 しかしンフィールの行動力を見れば、一人で鉱山に行くと言い出し兼ねない。それは見殺しにするのも同じだ。



「なぁ。ウフィール――」

「ンフィールよ」

「……ゴホン……ン・フィール。一度、王都に戻らないか?こいつらが三人だけとも限らない。このまま鉱山に行ってもまた捕まるぞ?」



 名前が言いにくい。

 ンフィールは考え込む。鉱山をどうにかしなければと思っているのだろう。



「わ、私はどうしても行きたいわ。大丈夫!ちょっと見てすぐ帰るから!ドワーフは夜目も効くのよ!し、心配しないであなた達は王都に向かって」

「はぁ、せっかく助けたのに死にに行かれても困るんだよなぁ……」

「正義感じゃなくてただの自殺志願だしなぁ」

「うっ……」



 オレが頭を掻きながら、デュークに聞く。



「念のため聞くけどさ、鉱山の調査依頼がギルドに出てたとして、それを横から掻っ攫うのはどうなんだ?」

「知っててやったらマナー違反。悪質ならば罰則もある。但し盗賊退治とか、人命にかかわる場合は早くに解決が求められるからマナー違反ともみなされない。この場合は微妙だな。どの程度の危機なのか、国がどう動いているのか、どんな魔物が出てるのか、何も分からん」

「うーん……。クロとビーツはどう思う?」

「私は早くに王都行きたいけど、この娘も見殺しにはしたくないわ。盗賊を捕らえたらアジトっぽい所を見つけて、乗り込んだら実は鉱山でしたってのは?」



 なんか屁理屈みたいな感じだな。知らずに鉱山調査する言い訳にはなりそうだけど。



「ぼ、僕はンフィールさんが一人で鉱山に行って、それを手助けするのは人命救助と同じだと思うんです。ンフィールさんの護衛という依頼を受ければいいんじゃないでしょうか」



 おおっ!いい案が出たんじゃないか?

 デュークはどう?



「ふむ。事後受注の依頼は確かにアリだな。クローディアの言う通りに盗賊の捕縛をきっかけにして、鉱山での護衛という形ならばいいかもしれん。ただ、その場合はンフィールさんには鉱山の入口で待っていてもらう。当然、護衛付きでだ。さすがに鉱山内の調査に入らせるわけにはいかない」


「……うん。ン・フィール、どうだ?護衛依頼として鉱山の入口までって事で」


「行ってくれるんなら是非ともお願いしたいわ!ホントは私も鉱山の奥まで入りたいけど、調査の邪魔はしたくないし……。でもあなた達、子供よね?盗賊を倒したんだから確かに冒険者なんでしょうけど、調査なんて出来るの?」



 一人で行こうとしたンフィールには言われたくないけどな。

 まぁ見た目が信用ならないのは百も承知だ。オレはギルドカードを見せる。



「ぎ、銀級!?子供なのに!?ドワーフ!?人間よね!?」



 人間の十歳ですと言ったら、余計にびっくりしたようだ。

 その後は「銀級の依頼料ってどのくらいかしら……」と呟き始めた。

 まぁそこは最低限にするつもりだ。すでに盗賊捕縛の報奨金は手に入れているようなもんだし。



 とりあえず了承という事で、オレたちは鉱山の入口を目指して、森の入り口から山道へと向かった。

 捕らえた盗賊は、今回復させても面倒なので、三大妖を召喚し、運んでもらうことにした。どうせこの後も頼むことになるしね。

 ちなみに三大妖を召喚した時、ンフィールは腰を抜かしていた。それもまた面倒だった。



 鉱山に向かいながら相談する。

 鉱山内部で調査するのと、入口付近で待機するメンバーが必要だ。もう従魔の参戦は決定。

 入口ではンフィールを護衛し、拘束した盗賊を見張る必要があり、三人以外の盗賊の襲撃の可能性がある。おまけにンフィールの話しから、衛士や冒険者が来ないとも限らない。対応する人間が必要だ。

 鉱山調査組は、どんな魔物が居るのかも分からずに戦闘に臨むことになるだろう。あくまで調査だから退却もありだが。すでに冒険者が入っている可能性もあるので、こちらにも人材が欲しい。

 さて、どう分けるか。



「確実なのは、鉱山内部にビーツ。入口にオレ・デューク・クロかな」

「それだと想定以上の規模の盗賊団だった場合がまずくないか?」

「大丈夫よ!ビーツに大変な所をお願いするんなら、私たちだって頑張らないと!」

「ぼ、僕は従魔のみんなにお願いするだけなんで楽なんですけど……あ、入口にクラビーを置いていきますよ。何かあれば念話で教えてくれれば……」

「えっ、クラビー念話できるの!?スライムなのに!?」

「そこが普通のスライムと違うところなんですよ!ふふん!」



 珍しくビーツさん自慢げっすね。会話が出来るゲル状生物ってすごいファンタジーだな。意思があるとは聞いてたけど。



「なんかまたビーツに頼ることになるけど、頼むな。三大妖も」

「う、うん、なるべく早く調査してきます!」

「わっちらの事は心配いらぬ。早々に戻ってこよう」

「ん。マスターの安全が第一」

「どんな魔物がいるのか楽しみだな!」



 いや、三大妖の心配はしてないよ。鉱山内に冒険者とかが居た場合に、三大妖を見た時のことを心配してるんだよ。頼むよ、ビーツ。

 そんな会話をしながら鉱山に向かっていたが、ンフィールは



「……なんかもう異次元の会話だわ。何この余裕。何この従魔っての。これが銀級ってやつ……?」



 とかブツブツ言っていた。



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