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大魔導士「ベギ〇ゴンって何属性ですか?」  作者: 藤原キリオ
サタデーナイト編
16/57

16:冒険者登録しよう!~ゴタゴタ登録編~



「やっぱ『〇〇の〇〇』ってのが一般的だな」

「竜王の系譜」

「暁の四戦士」

「ニーベルンゲンの伝説」

「魔導の道」

「クローディアと愉快な仲間たち」

「俺とお前と〇五郎」


「もうパーリーピーポーズでいいんじゃないか、と」

「大却下!」

「ピープルを複数形にするとか何事だよ」



 そして二時間が経過した。



「じゃあ『魔獣の聖刀』でいいか?」

「「「異議なし!」」」



 結局、無難にそれぞれの特徴を一文字ずつとなった。

 オレの『魔』、ビーツの『獣』、デュークの『聖』、クロの『刀』。もう魔なのか聖なのか、分かんねえな、これ。

 ちなみに『聖剣』のほうがかっこいいと思ったが、クロが断固として『刀』を譲らなかった。



「あー、やっと記入できるな。じゃあリーダー書いて」

「ん?アレクかビーツじゃないのか?」

「い、いや!アレクくんかデュークくんでしょ?」

「は?オレはビーツかデュークかと思ってたんだけど」

「ねぇ、私は?ねぇ」



 更なる難題が出てきた。会議は終わらない。



「魔法使い、僧侶、戦士、魔物使い。ほら、魔物使いが勇者枠だろ!」

「む、無理ですよ!リーダーはしっかり者のデュークくんで!」

「いや、いつも仕切ってるのアレクだしなぁ」

「そんな事ないだろ?ここぞって時はいつもデュークの意見じゃん」

「そうか?まぁ俺は助言が基本だから、やっぱリーダーとは違うよ」

「アレクくんのほうが(元)年上ですしね」

「私、(元)最年長だけども?」

「「「……」」」


「それにラッキーカラー赤だし。レッド的にリーダーよね?ね?」

「ごめん、それ、むり」

「なんでよ!」


「オレたちにだって体裁ってもんがある。クロがリーダーだと、パーティー全体が変態だと思われるだろ?な?」

「諭すように言わないで!私、普通の女の子だし!」

「分かってくれ、クローディア。お前をリーダーにしたら、俺たちは村に帰らなければいけなくなる」

「即帰宅するレベル!?」

「だ、大丈夫ですよクロさん!クロさんがしっかり者だって分かってますから!」

「フォローが痛いわ!」



 結局、オレがリーダーをやるはめになった。二人は賛成。一人は異議申し立てを却下された。

 そんなのは無視だ。クロをリーダーにするよりはマシだと判断した。



 計三時間が経過した。

 やっと出来上がった登録用紙を手に、受付嬢さんの元へと行った。



「ずいぶん遅かったですメェ。拝見させて頂きますメェ」

「すみません、お願いします」



 受付嬢さんは手早く、登録用紙の中身に目を通していく。



「…………まず、職業ですが、ビーツさんの『召喚士』は大丈夫ですメェ。但し、従魔証の登録もありますので、その用紙もお渡ししますメェ」



 従魔は登録して、従魔証を身に着けることで、街中にも入れるらしい。

 その事はビーツからも聞いていた。ビーツはモンスターじいさんから聞いたらしい。



「それと……この『大魔導士』というのは?」

「魔法使いの上位的存在ですっ!」(キリッ)

「では『魔法使い』に直しておきますメェ」

「なん……だと……」


「それと『聖戦士パラディン』ですが、パラディンは意味不明ですので消すとして……」

「なん……だと……」

「神聖国の騎士ではありませんよね?」

「……違います」

「見たところ、回復術士と盾戦士のどちらかですメェ」

「……回復術士でお願いします」


「それと『侍ガール』……意味不明すぎて理解不能ですメェ。『剣士』にしておきますメェ」

「なん……ですって……」



 受付嬢さんは淡々と登録を済ませていく。オレたちに有無を言わせず。

 やはり、このクールビューティー羊さんは手強い。

 しかし、これで後はビーツの従魔登録のみ。長い戦いだった……。



 さすがにこれに時間はかからず、ビーツがササッと書いて、受付嬢さんに渡す。



  ・ オロチ:ダーク・サーペント

  ・ タマモ:ファイブ・テイル

  ・ シュテン:フレア・オーガ・クイーン



「さ、三体!?しかも種族がこれ……ギルドマスター!ギルドマスターを呼んで下さいメェ!」



 あんなにクールだった受付嬢さんが、ひどい取り乱し様である。

 周りもざわつく。夕方近くなってきた事もあり、人が多くなってきた。

 オレも紙を覗き込んだが……あれ?種族が変わってない?



「おいおい、メアリさんがあんな慌てるとか何事だよ」

「パーリーピーポーの新人らしいぞ?」

「なるほど、じゃあしょうがないか」


 何がしょうがないんですかねぇ。村の謎評価が非常に気になる。

 そしてメアリさんというらしいな。受付嬢さん。メリーさんだったら分かりやすかったのに。羊だし。



「どうした?騒がしいな」



 二階から降りてきたのは壮年の男性。オールバックで口元には髭を蓄えている。

 身長も高く、ローブの下は筋肉質なのだろう事が見て取れる。



「ギルドマスター!これを見てくださいメェ!」

「ふむ、どれどれ……んん!?」

「あ、すみません。これも見てもらえますか?」



 そう言って、ビーツは懐から一通の手紙を取り出した。



「あ、あぁ。読ませてもらうよ。…………こ、これは!」

「ギ、ギルドマスター?どうしたんですかメェ?」

「……いや、まずはビーツくんと言ったね。この手紙は返そう。また使う機会があるだろうからね」

「あ、はい」

「メアリくん、この件は他言無用だ。私が保証しよう。手続きを進めてくれたまえ」

「え?は、はい。分かりましたメェ……」



 その後は滞りなく登録も終了し、すっかりキャリアウーマンに戻ったメアリさんにより、冒険者のルールなどを聞いた。

 帰り際、依頼ボードを見て、どんな依頼があるのかチェックしておく。

 そして、夕暮れにさしかかる頃、オレたちは帰路についた。



……

………



「で、何だったんだ?あの手紙」

「あぁ博士が『従魔登録の時に騒ぎになるだろうから、この手紙を渡せ』って」

「ちょっと見せてもらっていい?」

「いいですよ」



 『ビーツ・ボーエンは我が弟子である。

  この者と従魔の素行については我が名において保証する。

  ギルドにおいて身勝手に名を広めたり、悪用する事のないよう注意されたし。


                   ――シュタインズ・ベルクトリア――』



「……モンスターじいさんって何者?」

「さぁ……」

「で、従魔三体しか登録しなかったのは?」

「あ、えーと、三体くらいなら稀にいるから大丈夫だろうって。博士が」

「全然、大丈夫じゃなさそうだったけどな、アレ」

「ははは……」


「しかも聞いてたのと種族違ったよね。もしかして進化したの?」

「あ、そうなんですよ。冒険者になったらみんなに正式に紹介しようと思ってたんです!」

「おっ!やっとか!じゃあ夕食食べたら部屋でな!」

「楽しみー!」



 帰り際、門の衛兵に正式なギルドカードを提出し、仮の身分証を返却。

 オレたちは『猫の祭り亭』へと戻った。



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