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大魔導士「ベギ〇ゴンって何属性ですか?」  作者: 藤原キリオ
パーリーピーポー編
13/57

13:クロとアレクの場合



…side:C



「というわけで、私は冒険者になるわ!」

「ダッ、ダメだ!ダメだ!ダメだ!危険じゃないか!愛する我が娘を外に出すわけにはいかん!」

「あらあら、うふふ」



 うちのお父さんは超過保護。帯剣してる時は厳格で真面目な衛士さんなんだけど、家に帰れば娘にダダ甘だ。

 お母さんはのほほん系。でも怒ると恐い。結局は決定権を持つのは、いつもお母さんだ。



「神託でも言ってたじゃない。北に行けって。村にずっといるわけにはいかないわよ」

「いやいや、神託はあくまで道標の一つだから!なぁペリーヌ!」

「うふふ。私は止めないわよ?アレクくんと一緒なんでしょ?」

「ちょっ!」


「うん。アレクとデュークとビーツ。四人ね」

「男ばっかじゃないか!」

「うふふ。じゃあ安心かしらね「どこが!?」みんないい子たちだし」

「ああああ!反抗期か!?これが反抗期なのか!?」



 お父さんのフォローは大変だったけど、お母さんは納得してくれた。

 これで、心置きなく修行に打ち込める。



 お父さんの稽古はもちろんだけど、それだけじゃ足りない。

 なんせ、私以外の三人は化け物揃いだ。六属性のアレクに神童のデューク、チートテイマーのビーツ。

 自分たちは「チートじゃない」って言ってるけど、私からしたら十分チートだと思う。

 このまま一緒に行けば、間違いなく足手まといになる。



 『悩む必要はなし。今の魂を受け入れよ。』

 男とか女とか関係ない。出来る出来ないも関係ない。

 私はみんなと冒険者として『侍ガール』を目指す。だって、それがしたいから。



 その為のこれから五年間。楽しそうだ。

 あー、早く『森林の聖風』の人たちが来ないものか。

 大体、一年ごとに来るって話だけど、来たらいろいろ教えて欲しい。



 それと実戦。今度森に連れて行ってもらおう。

 お父さんの説得が大変そうだけど……。



…side:A



「で、何だよアレ。群れてんじゃねーか」

「珍しいわね。って言うか、ちょっとした問題よね、これ」



 あれから五年が経とうとしている。俺たちはもうじき十歳だ。

 各個人での修行の合間に、時々集合しては話し合ったり、連携の練習をしたりしている。

 で、実際に森で戦ってみようという話になり、ヴォールスさん(ビーツの親父さん)付き添いの元、探索に出たのだが……。



「ゴブリンが四匹に、ゴブリンの子供?が十匹……」(小声)

「いや、ホブゴブリンとゴブリンですよ、あれ」(小声)

「えっ?あれ、ホブゴブリンなの!?クロと戦った時にゴブリンって聞いたぞ!?」(小声)

「私もお父さんからゴブリンって聞いてたんだけど」(小声)

「この森はゴブリンよりホブゴブリンのが多いからな!村の連中はホブゴブリンの事をゴブリンって言うのさ。がっはっは!」(小声)



 オレがゴブリンと思っていた百七十センチオーバーの奴はホブゴブリンらしい。

 まじか。じゃあ四歳でホブゴブリン倒してたのかよ。



「あれだろ?四歳の時の河川敷のやつ。お前らよく生きてたな……」(小声)

「四歳での初戦闘がホブゴブリンとか自殺行為ですよ……」(小声)

「いや、実際死にかけたし!」(小声)

「だよねぇ。どうりでデカいし、強すぎると思ったわ」(小声)

「で、どうする?お前らが無理だってんなら、俺が蹴散らしてくるぞ?がっはっは!」(小声)

 

 

 みんなの顔を見回す。うん。戦わないって選択はなしだな。

 オレとしては、あの時の恨み(若干のトラウマ)を晴らすチャンスだ。



「じゃあオレがまずは一発撃つわ。その後、クロとデュークが先行してホブゴブリン狙い。ビーツが周りのゴブリン。オレも後を追ってゴブリン狙い。

 ヴォールスさんは最後尾で危なくなったらお願いします。で、いいか?」


「オーケー!」

「従魔は出さないでいいですね?」

「大丈夫だろ。ヴォールスさんもよろしいですか?」

「がははは!ギブアップは早めに言えよ?俺も退屈だからな!」



 いつもおどおどしてるビーツと性格が違いすぎる。

 まぁ実際強いらしいから頼りにはなるんだけど。



「よし!じゃあ行くぞ!」



 オレは魔力を高める。右手をゴブリン集団に向け伸ばし、手のひらは上に。人差し指と中指をつけ、他の指は握る。

 狙いはゴブリン集団の足元一帯。そこに向けてミスト(大気中の魔力)のパス(魔力の通り道)を繋ぐ。

 魔力を火属性に変換。パスを通し、地面を爆発させると同時に人差し指と中指を上に向ける。



 クンッ ―――ドカアアアン!!!



「おまっ!それっ!」

「ナ〇パの『クンッ』じゃないですか!」

「ジャイ〇ント・ストームね!」

「がははは!すげえなぼうず!やるじゃねえか!」



 走りながら三人+保護者が騒ぐ。ふっふっふ、好評で何よりだ。

 いやぁ再現するのは苦労するんだが、こうして実際に使えると、感慨もひとしおである。



 その後、スムーズにゴブリン集団を倒すことが出来たが、正直、初撃でやりすぎた。

 足止めのつもりが、結構なダメージを与えていたらしい。

 ゴブリンとか半分死んでたし。



「まぁ見せてもらった限り、大丈夫だろ。これなら冒険者にもなれるはずだぜ!」



 と、ヴォールスさんにもお墨付きをもらえた。

 と言ってもこの人適当っぽいから、ちょっと心配なんだけどね。

 ビーツの手前、触れないでおこう。



 何はともあれ、これで旅立つ準備は整った。

 心置きなく冒険者となれる。

 いよいよ出発だ。このパーリーピーポー村から。



 ……十年経ったが慣れないな、この村名。



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