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大魔導士「ベギ〇ゴンって何属性ですか?」  作者: 藤原キリオ
パーリーピーポー編
1/57

01:プロローグ

初投稿です。

ありきたりな転生物をシリアスなし、恋愛要素なし、詳細描写なしの斜め読みできる感じにしています。

苦手な方はブラウザバックお願いします。




 最後に見たのは目の前に迫るトラック。


 携帯電話を横目に操作する運転手の顔。

 オレの体は強張り、竦み、動けず。

 声も出せずに、そして――。




 最初に見たのは外国人と思われる男女の顔。


 ひげ面で筋肉質な男性。

 まるでスクリーンから出てきたような美人の女性。

 やさしげな笑顔と、その目には涙。

 


 その時オレは当然の事ながら、パニックの最中にいた。





「オギャー!オギャー!(えっ!何何!どこ!誰、あなたがた!)」


「オギャー!オギャー!(な、何人!キャンユースピークジャパニーズ!?)」



 何を騒ごうが「オギャー」としか言えない。そんな事にも気づけない。

 視界に入る自分の手が、赤ん坊のそれだと気づけない。

 完全なるパニックだった。



・・・



 ちゅー ちゅー


(あー……やっぱ、おっぱいって偉大だわ。こんな落ち着けるもんかね。味はよく分かんないけど)



 唐突に始まった女性のストリップに驚き、飲めと言わんばかりに迫るおっぱい。

 半ば無理やりに口へと入れられたが、びっくりするほどの鎮静効果があった。

 おかげで少しは冷静に考えられる。




(とりあえず……これは夢か?事故にあって、確実に死んだと思ったけど、実は今、気を失っている状態で夢を見ている。これが一番可能性が高いと思うんだけど……)



 しかし五感がそれを否定する。触覚・嗅覚・視覚・聴覚・おっぱいの味覚、どれも現実的だ。




(じゃなかったら、やっぱこれ転生か……?)



 赤ん坊になった自分。両親と思われる外国人。

 何か語り掛けられているが、さっぱり分からない。多分、聞いたこともない言語だ。

 周りに目を向けても、家電製品の類は存在せず。



(どこかヨーロッパのど田舎か?さもなきゃタイムスリップで過去に飛んだ?)



 どんどんありえない方向へ考えが加速する。

 そんな事あるわけない。しかし現に転生はしているのだ。

 現実的でない展開。ありえない展開。上等だ。

 現状で手に入る情報をもって、とにかく精査するしかない。



 そしてオレは見た。



 出産の手伝いに来たのだろうか、ふくよかなおばさんが台所へと向かう。

 お茶でも沸かすのだろうか、竈に水をはった鍋をおき、手持ちの藁に火をつけ、薪へとその火を移す。



(!!! い、今、ライターとか使ってなかったぞ!指先から火を出した!)



「オギャー!オギャー!(うおおおおお!魔法!魔法だよな!今の!)



 慌ててオレをあやす両親。でもそんなの関係ねえ!それどころじゃねえ!

 さっきまでパニックだったオレは、興奮と感動の最中にいた。

 夢にまで見た魔法がここにはある!



 つまりこれは―――異世界転生だ!


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