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進学先は異世界でした ~俺の異世界学園生活記  作者: 於田縫紀
#34 無人島でバカンスを

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175/216

§175 別名・魚群探知機魔法

 さて、俺は前に遺跡の穴で遺物探し魔法を使った事がある。

 あれと同じ発想で魚群探知機魔法なんてのが出来ないだろうか。

 旅行前にそんな事を思いついて試す機会を待っていた。

 そして今がその機会だ。


『異物探知・海水以外!』

 おお、これは面白い。

 海中の地形や動いている魚らしいのがよくわかる。

 ただ魔力の効きが悪いというのも理解した。

 いつもなら小魔法一回分(レベル1)程度しか魔力を消費しない筈の魔法だが、ここでは二回分位消費する感じだ。

 まあ魔眼の魔力を持ってすれば大した事は無いけれど。

 さて、魚群探知が出来たから皆さんに用意をしてもらおうかな。


「俺とアン先輩で魚が確実にいる場所に移動させるから、すぐに釣りが出来るように準備してくれ。餌は砂浜で獲った二枚貝をサンダルで踏みつけて貝を割って、中の身を針が隠れるように刺す。こんな感じだ。あと餌籠にも貝の中身を入れて」

 貝を割って中身を取り出し、水管から針を通して見せる。

 なお今回は竿とリールが四セット、仕掛けは大量に作ってある。

 つまり船長ともう一人以外の四人は釣りを楽しめる状態だ。


「アン先輩、ゆっくりと沖へ。五十腕前進して一度止まって」

「了解なのだ。何か海中がわかる魔法を開発したのか」

「異物探知魔法、海水以外探知という魔法。アン先輩も使えると思う」

「了解。でもまずはホクトの指示に従うのだ」

 そんな訳で海中にちょっと高い岩がそびえている場所に移動。

 凄く大きい魚はいないけれど、それでも三十指(30cm)を越える魚が下で群れで泳いでいる場所に付ける。


「ここです。深さは四十腕(40m)。底にベタ付けすると岩で仕掛けがやられるので、落とした後少し上げて」

 四つの仕掛けが落ちたのを確認。

 それぞれの仕掛けがゆっくり落ちていく。

「はい、その深さで止めて!」

 よし、だいたい魚の群れが通る高さに仕掛けが止まった。

 あとは……ちょうどいいのが来たぞ。


 一気に四人とも竿が強く引かれた。

「えっ、こんなに早く」

「思った以上に重いですわ」

 何の群れかはわからないけれど、思い切り四人ともヒットした模様。

 皆さん思い切り引っ張られている。

 針にかかった魚が泳ぎまくっている感じだ。

 魔法で状況を見ながらたも網を持って舟の中央へ。

 最初に釣り上げたのはラインマインだった。


「でっかいサバだな、これは」

 四十指(40cm)以上はありそうなでっかい丸々したサバだ。

 魔法で一気に氷温まで温度を下げて殺し、針を取ってクーラーボックスへ。

 続いてヘラ、メルと同じくサバを上げる。

 ただアルは結構苦戦している模様。

 これはアルの体力のせいだけじゃない。

 アルだけ違う魚が食いついている模様。

 他は左右に走り回っていたけれど、これは潜っていく感じ。

 かなり頑張って、やっと近くまで浮いてきた。

 ぐるぐる回っているところを何とかたも網で上げる。


「何か一回り大きいな、これは」

 七十指(70cm)はある感じだ。

「ブリかヒラマサかカンパチかわからないけれど、その仲間だ」

「食べられるのか」

「文句無く美味しい筈だ」


 そんな訳で。

「とりあえず昼ご飯には充分釣れたから、残念ながら一度帰るのだ」

 という事になる。

「次回は私も釣る側に回るのだ」

「なら俺が代わりに操縦しますよ」

「まずは刺身なのだ」

「アン先輩も手伝って下さいよ」

 なんていいながらさっきの砂浜へ。

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