空を飛ぶ生物
???「私は…私は…」
謎の生物は何故か急に泣き出してしまった。この暗闇の中で鳴き声だけが部屋に響く。中々の恐怖ではないか!
俺は電気をつけることにした。
電気をつけてから謎の生物を見てみると…
小学生くらいであろうか?
ふっくらとして少しピンクのかかった頬、
透き通るような白い肌、
小さな手、
腰くらいまでありそうな茶色のかかった綺麗な髪…
全てが神から授かったものとしか言いようのないほどのきれいさ、可愛さを備えている…
しかし、気になるところが少し…
それは最近はやっているのであろうか?背中に大きな一対の羽?のようなものが生えている。
そして頭には土星のような輪っかをつけている…
流行とはこういうものの事なのか…?
とりあえず、俺は冷蔵庫に一つだけアイスがあったのを思い出した。俺もこの位の時はアイスが好きだったな…と思いつつ、あげてみることにした。
俺「みかん味のアイスなんだけど…これ好きかな?」
謎の小学生のような生物は首を傾げながら1口だけかじった。
???「みゅっ!?美味しい…」
ようやく泣き止んでくれたようだ。食べる姿がとても可愛い…
???「これ、美味しかった!もっと無いの?」
俺「ひとつしかないんだ…」
そう言うと、少し悲しそうな表情を浮かべた…
あれ…そう言えば…
俺はこの謎の生物について詳しく聞かないといけないではないか!
俺「と、ところであの〜…あなたは誰なんですか?」
???「私は…天使…」
最近のキラキラネームはここまで来たようだ。天使のように可愛いのは認めるが。
俺「天使ちゃん?どうしてここに「違う!」
天使ちゃんが俺の会話を妨害してきた。
???「私は天使。名前じゃなくて種族!」
俺「ああなるほど。ってええ!?」
理解できない。天使って空想上の生物ではなかったのか…?
???「でも、私は雲の隙間から落ちちゃって…人間界まで来ちゃったの。で、あなたの部屋の窓が空いてたから入ってきちゃった!」
たしかに言われてみれば、窓は暑いから開けっ放しにしておいた。
俺「嘘っぽいんだけど…」
???「じゃあどうしたら信じてくれるの…?」
涙目でこんなにかわいい女の子に…信じたくなってきた…
しかし!俺はそんな騙されやすい男ではない!
俺「じゃあ空でも飛んでみてよ!」
さすがにこんなことは人間には出来ないだろう。人間には。
???「わかった。」