新たな冒険へ
目を覚ました俺は昨日のことを思い出していた。
そうだ、確かドラゴーンの主人らしき奴を倒して、ダメだその後のことが思い出せない。
「良かった。シュウ君目が覚めたんだね」
俺が昨日のことを思い出そうとしていると、ドアを開けたエリスが少し泣きそうにしながら抱き着いて来た。
「え、どうしたのエリス、なんで少し泣きそうなの?」
「バカ、シュウ君3日も寝込んでたんだよ。心配するに決まってるじゃん」
「えっなんで俺そんなに・・・」
そして俺はあの時のことを思い出した。
「あ〜〜〜、そうだエリス。結局あの後どうなったんだ。てか何で俺ら無事何だ」
「えっと、それは」
「それは私から説明しよう」
俺が気絶した後のことを聞こうとすると、エリスの後ろから10歳そこそこの少女が出てきた。
「だれ?」
「この人はね、アリサ姉さん。簡単に言えば私たちの命の恩人かな?」
「いやアリサ姉さんって、こいつまだガキじゃないか」
「失礼な小僧だな、私はこれでも50代だ」
俺は驚きながらエリスの方を見ると、エリスは「本当よ」と言いたげに頷いた。
「わぁ〜、マジか。この世界にはガチもんのロリババアがいるってぇ、何すんだよ」
アリサに杖で思いっ切り殴られる。たく、病人には優しくするもんだろが。
「お前さんが馬鹿なことを言うとるからじゃ。まったく、2回も命を助けられといて、この態度とは。怒りを通り越して呆れるわ」
しかし、アリサの声は痛みに耐えている俺には聞こえなかった。
「はぁ〜、わかったよ。とりあえず俺が気絶した後のこと教えてくれ」
俺がそう言うとアリサは淡々とその時の出来事を話した。
アリサの話を要約すると、脱獄したシーザックを追っていたアリサが、俺が気絶した直後にドラゴーンの魔力を察知してテレポートで来てくれたらしい。そしてドラゴーンに一撃魔法を入れ、その隙に俺とエリス、リーザックを抱えテレポートで街まで帰還したらしい。ちなみにリーザックは俺の剣により重症だったものも、アリサの治癒魔法で回復し、今は国の牢獄に入れられたそうだ。
「シュウ、お前さんこの3ヶ月で何かあったか?こないだあった時よりも、魔力の量が明らかに変わっていたぞ。いや、そもそもお前さんには魔力がなかったはずだが」
アリサは話を終えると、俺に質問してきた。
「何かって言われても、あ、そうだ思い出した。俺、魔力石飲み込んでモンスター化しようとして、あれ?そういえば何で俺、インゲンにならなかったんだ」
俺がその時のこと淡々と言うと、エリスは俺に叫んだ。
「魔力石を飲み込んだって、何してるのシュウ君」
「いや、だってエリスがドラゴンでも魔力の塊を体内に入れればモンスター化するって言ってたから
「いや、確かに言ったけど。じゃあ何、シュウ君はインゲンになろうとしたってことなの?」
「とりあえず2人とも落ち着け」
俺とエリスが言い合っているとアリサが仲裁してくれた。
「まずシュウ、モンスター化というのは体内の魔力と外部の魔力の違いによる拒否反応によって発動するものだから、魔力のほとんど無かったお前さんではモンスターにはなれなかっただろう」
「でも俺魔力石を飲み込んだ後、確かに魔力がめちゃくちゃ増えたのを感じたよ、というか何で俺の魔力が全然ないって知ってたんだ?」
「それは3ヶ月前、瀕死だったお前さんを助けたのが私だからだ」
「3ヶ月前ってもしかして俺が最初に来た時の」
「その話は今はいいだろ。それよりもお前たちに頼みたいことがあるのだ」
そう言うとアリサは、にたっと笑い、俺に問いかけた。
「シュウお前さんエリスと一緒に旅に出てはくれないか?」
「「えっ!」」
俺とエリスは同時に声を上げた。
「そうだ。と言ってもここから2、3日のところにあるダンジョンの奥にある鉱物を取って来てほしいだけなのだがな」
「俺は良いけどエリスは?」
「シュウ君と2人で旅か〜」
俺がエリスにアリサの返事を聞こうとすると、エリスは上の空で何かボソボソ言っていた。
「エリス聞いてる?」
「え、あ、うん。旅だよね大丈夫、私はいけるよ」
俺が再度聞くとエリスは少し顔を赤らめながら返事をした。
「ではシュウの体力が回復次第向かってくれ」
そしてアリサはエリスを連れて部屋を出て行った。