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スモール・マウンテン  作者: 大原英一
第四話 セクシー・バス・ストップ
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閑話

 とある会社の喫煙所。そこでふたりの男性がタバコを吸いながら談笑していた。その会社に勤める高見と今泉である。高見のほうが今泉より、ほんのすこしだけ先輩だった。

「いつも夜勤のときさあ、バスでくるんだけど……」

 高見がいきなり話しはじめたので、とりあえず今泉はええ、と相づちを打った。

「顔見知りのおっさんがいるのよ。しかもそいつ、オレとおなじ停留所で降りるの」

「へえ。そのおっさんが、どうかしたんですか」

「トールさんに似ている」

「トールさんって、あの『できるかじゃん』の?」


「そう」

 高見は愉快そうに、うなずいた。「できるかじゃん」は有名な教育番組で、トールさんはそのメイン・キャストだ。背高ノッポのトールさんといえば、しらないキッズはいないだろう。


「じゃあジミー・ペイジにも似てるんだ?」

 言って今泉は吹き出した。

「いや、似てない似てない」高見もつられて笑った。「本物のトールさんはジミー・ペイジに似ているけど!」

「なんだあ、トールさんの劣化版かあ」

「そう、だいぶ劣化しているな、あれは」

 そして高見は、おっさんの腹が出ているだの顔が腹立つだのと、散々にこき下ろした。

「それって、もはやトールさんの面影もないじゃないっすか」

 ひとしきり笑ったあとで高見が言った。

「あー、そうだね。チューリップ・ハットだけだね共通点は」



 人間、どこでどんな言われかたをしているか、わかったものじゃない……。

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