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しるし2(詩集)

葡萄柚(グレープフルーツ)

作者: さゆみ


あー葡萄柚プータオヨウ


どうしてたわわに

どうして実るのに

どうしてあたしは

どうしてあたしは


あー葡萄柚


ほとばしるクエン酸(たいよう)

残り香がナリンギン(たそがれ)

一房の中の円らな瞳(おもい)

遠くの異国の(しらべ)


あー葡萄柚


透きとおりたい

サウスのまほうつかいのこえ

すきといいたい

ルビーのまほうは範囲越え


ふりかえったらだめよ

あたし切るわ

半分は難しいの

ぜったい狂うの

フォビドンソード(禁断の剣)

でもふっきるわ

あざやかな切り口

あでやかなキズ口


フラノクマリン

フラノクマリン

呪文を唱えると

あたしはもう戻れなくなる

あなたはもう動けなくなる

フレグランスをかけないで

甘い言葉をふっかけないで


あー桃色葡萄柚ピンクグレープフルーツ



无法想象没有你的世界あなたのいないせかいなんてありえない





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― 新着の感想 ―
[良い点] 漢字がとても効果的に使われていると思いました。リズムもここちよく、まさにグレープフルーツのようなみずみずしさを感じました。 [一言] 最後の一文にどきっとさせられました。
2015/07/03 20:24 退会済み
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