に!
入学してから早一週間。
僕もこのクラスに、だいぶ馴染んできました。
「藍川くん藍川くん。なぁなぁ、なぁってば!」
さっきからやたら構ってくるこの男子・矢後背冠。
「藍川くんっ!」
「矢後背、まさかもしかして、それって僕の事?」
前話で確認してほしいんだけど、僕の名前は藍神なんだよね。
「ああそうだよ。秋川くん!」
誰だそれ!
「絶対わざとだろ!違えよ!」
「失礼、牧川くんだったね」
「遠くなったよ!誰なんだよ!」
「あれ、田川くんだっけ?」
「もはや一文字もあってねーよ!!僕は藍神だ!!」
「藍川くん、さっきから何を怒ってるんだ?」
「一周回って戻るのかよ!」
頼む、いい加減川から離れてくれ(゜Д゜;;
あと、僕が怒ってるのは君のせいだよ!気付けよ!!
「…で、何の用?」
いたちごっこは終わりです、僕のツッコミのトレーニングじゃないんだから。
どういう訳か、矢後背は急に言いにくそうにしてきた。
「…えと…席、変わってくれないかな?」
耳が少し赤い。……これは、まさか…。
「…矢後背…お前、まさか…」
突然両手をぱたぱたと動かし始めた。猫じゃらしで遊ぶ猫みたいで、結構笑える。僕の予想は笑えないけど。
「いっ、いや、違うよ!別に伊桜さんのことが気になるとかっ、そんなんじゃねーぜ?ほらっ、俺、席が後ろだから見えにくいし……頼むよ~!」
bingo!
予想当たっちゃった~…。
矢後背、伊桜さんはやめた方がいい。超ネガティブだから…絡みづれぇーから…。
とは口に出さずに、応援することにしようか、何か可哀想に思えてきたよ。
「いい…けど…」
「おう、ありがとよ!」
笑顔がキラッキラしてるぜ、…哀れだな……。
次の休み時間、矢後背は絶望するだろうな…。
今日は英語の教科書が配られました。表紙は、何故か浮世絵です。おぅ…思いっきりジャパニーズ…。
もっとビックリしたのは、
あんはっぴぃ…意味:不幸せ
だい…意味:死
英語の欠片も見当たりません。
しかも病んでます。
一体全体、この出版社に何があったんだろう。
しかも、背表紙には「しねばい●のに」の歌詞が書いてありました。(←作者の好きな曲)尚かつ直筆です。
そして、あとの4998ページはデスノートになってます。
ここで僕から、感想を言わせてください。
「この高校、どんだけ僕のツッコミスキルを上げたいんだよ!!」
何なんだよ、何の試練なの、これ!?
直筆て、そこにこだわってるヒマあったら英語書こうよ!
「…ん?」
(デス)ノートの最後のページ、ドデカくこうあります。
―当出版社には、英語が書ける人間はおりません―
じゃあ書くなよ。
デカく書いて、自慢するように言うことでもないだろ。
その下、すんごい小さい字で何か書いてある。
―人間はおりません―
…―意味深ッ!?
この出版社どうなってるんだよ?
なんでそこだけ2回言ったし…。
「じゃ、授業始めんぞ」
…先生。質問です。どうやって(デスノート付き)教科書で授業出来るんですか。
「藍神くん…」
すっかり矢後背のことを忘れてた。浮世絵デス教科書に気を取られてたよ。
「…あ、矢後背か。伊桜さん、すげえネガティブだったろ?」
矢後背の事だ、幻滅しちまったろ……可哀想に…。
「そうだね……」
ほれみろ。空気が淀んでるじゃねえか。
「どう…しよう……伊桜さん、すごく……」
ドンマイ。きっといい人が見つかるさ。
「すごく、俺の好みなんだけど!!」
…
「………」
僕は腹の底から、こいつは危ないと思った。
「次の時間からも、席変わ…」
「ごめん」
伊桜さん……こいつから、逃げてくれ。今すぐに。
そのくらい僕も手助けしてやるさ。
矢後背冠、ブラックリスト入り確定しました。おめでとう!
読者様こんにちはこんばんは、こーひーぜりーです!
2回目となるとそろそろ緊張も和らいできました…。
さて本編ですが、矢後背、伊桜とどんどんメンバーが増えていきますね。
でもまだです、まだなんです。まだいるんです!!私が1番大好きな大好きな子がいるんです!
…それもまた次回ですが……、楽しみにして頂けたら嬉しいです。
それではここまで読んでいただきありがとうございます。気まぐれ更新で申し訳ありませんが、またこのページに来てくれたら嬉しいな、なんて、なんて……!(期待)