1/29
プロローグ
正義の話を始めよう
どのような英雄ならば賞賛されるだろうか。
やはり、容姿は整っている方がいいだろう。醜いヒーローは受け入れられない。
それよりも強さが優先されるか。弱い者が世界を救えるはずがない。
挙げていけば切りがない。それに答えも出ない。出すこともできない。
だが、確実に言えることは、形はどうあれ皆がヒーローを求めている。自分がなることは望まないのにも関わらず。実際、いきなりヒーローになれと言われてなる奴はどれほどいるだろう。物語の上ではうまくいく場合が多いが、所詮は空想のものだ。断ったとしても、それは決して悪いことではない。
それでは、何をするべきかと問われれば、何をしても全て正しいのか。
投げかけられる疑問にはどれにでも、模範的な解答が存在してもいいだろう。しかし、それ以外が不正解とは限らない。そこから外れているそれがあったとしても、必ずと言っていいほど自身の正義が含まれているはずであるから。